人差し指と中指の間にある小さな革って何であるんだろう?って思いますよね。
この小さな革のことを、指股(別名:マチ)と言います。
とても小さなパーツですが、グローブに耐久性や使用感に影響を与える箇所なんです!
そこで当記事では、指股がどんな役割を果たしているのか詳しく解説していきます!
グローブには指股が有るグローブと無いグローブがあります。
指股の有無はグローブのコンセプトにも影響しますので、どちらのグローブが好みか考えながら読んでくださいね!
グローブを選ぶ際に、指股の有無はあまり気にしていない人も多いのではないでしょうか?
小さなパーツですが、グローブの開閉時の感覚が変わりますので、指股の有無を意識してグローブを選んでみてください!
指股(別名:マチ)とは?
指股とは、グローブの指と指の間に縫製されている、捕球面から折り返された革を指します。
別名「マチ」とも呼ばれます。(ちなみに英語ではガセットと言います)

指股は必ずあるものではなく、グローブによって指股が有るグローブと無いグローブがあります。
指股と言っても全ての指間には無く、1か所(主に人差し指と中指の間)のみに設けられている場合がほとんどです。
指股が有るとグローブにどんな効果がある?

指股が有ることでグローブにどんな効果があるのかについて、以下の3つの効果があると考えられます。
それでは、指股がグローブに与える効果(役割)について詳しく解説していきます。
指股の効果①:指付け根部分の破れ防止
指股の1番の役割は、指付け根部分の破れ防止です。
指の付け根部分は、捕球面の革と背面の指の革が狭い範囲で縫製されています。
革の密集、縫製の角度、縫製の位置などの複合的な要因によって、捕球面側に革の出っ張りが発生してしまいます。

革が出っ張っている部分は摩擦(スレ)の影響を受けやすく、ダメージが積み重なると破れてしまいます。
特に、人差し指と中指の間は、グローブの中心で捕球した場合でもボールがスレてしまうため、破れるリスクが最も高いです。
そこで、人差し指と中指の間に指股を設けることで、革の出っ張りを無くし耐久性を高めています。

そのため、グローブのポケットが人差し指の下にくるモデルには指股が多く採用されています。
指股の効果②:指を分離して扱える
指股が有ることでグローブに与える効果の2つ目は、指股を境に指を分離して扱えるようになることです。
例として、オーソドックスな人差し指と中指の間に指股が有るグローブで説明すると、
小指からグローブを閉じた時に、薬指と中指は小指の動きに連動しますが、間に指股のある人差し指は動きについてきません。

これは、指股を設けたことによって人差し指と中指の間に隙間ができたことによって、連動性が切れているのです。
この特徴は、当て捕りをする際の「人差し指を押し込む動作」をスムーズにしてくれます。
指股の効果③:捕球面を広く使える
指股が有ることでグローブに与える効果の3つ目は、捕球面を広く使えるようになることです。
実際に捕球面を広く使うグローブには指股が採用されているパターンが多く見受けられます。(例:久保田スラッガー全般、ZETT源田モデルなど)
これは、「指股の効果②」で説明した指の分離の応用で、中指から小指を横に開きやすくなる効果を利用しています。
グローブがしっかりと横に開くことで、広くて浅い捕球面を作ることが出来ます。
※必ず広くて浅いグローブになるのではなく、型付け次第で広くも浅くもしやすいということです。
指股が無いグローブの特徴は?
指股が無いグローブの代表的なグローブは、ミズノの坂本モデルや、ZETTの今宮モデルが挙げられます。


この2つのグローブの共通点は、「ウェブ下の深いポケット」と「シンプルな掴み系の型」です。
指股が無いことによって、人差し指から小指の連動性が良くなります。
それによって、グローブを握りこむと人差し指から小指の4本がポケットを包むように閉じていきます。
すると必然的にウェブ下のポケットが深くなっていきますので、しっかりと掴むことができるグローブに仕上がりやすいです。
もちろん例外もありますので、あくまで一般論として参考にしてくださいね。
なお、MLBではウェブ下の深いポケットのグローブが好まれているため、指股がないグローブが主流です。
中指と薬指の間に指股?!(ローリングス Wizard)
ここまではオーソドックスな指股として、人差し指と中指の間に指股があるグローブを紹介しましたが、
近年では、中指と薬指の間に指股が有るグローブも見受けらるようになりました。
代表的なのが、ローリングスから発売されているWizardシリーズです。

Wizardシリーズでは、指股(マチ)を中指と薬指の間に設定することで、
人差し指と中指は立てたまま、親指と薬指で挟んで捕ることに特化しています。
これも、指股の効果②で説明した「指を分離できる」ことを活かした仕様だと言えます。
ただし、指股の効果①の「指付け根部分の破れ防止」という面では、ほぼ効果がないので注意してください。
中指と薬指の間に指股が有るグローブはまだまだレアですが、今後の研究の進化やコユニの流行によって増えてくるのではないでしょうか。


まとめ
指股の特徴やグローブに与える効果がが理解できましたでしょうか。
ここまで解説した内容をまとめると、
指股は小さいパーツが故に、グローブ選ぶの際に見落とされがちです。
しかしながら、グローブを開いて使いたい選手には重要なパーツではないかと思います。
実際に久保田スラッガーのグローブでは、ほとんどのモデルで指股が設定されているほどなので、それが何よりの証明になるでしょう。
是非、所有しているグローブを見返すなどして、指股が有るグローブと無いグローブのどちらが扱いやすいか確かめてみてくださいね!