市販されている野球グローブには、投手用、内野手用、外野手用といったポジションの記載があります。
各ポジションによって、プレー動作や打球が異なるため、それぞれのポジションに適したグローブ形状となっています。
当記事では、各ポジションごとの野球グローブの特徴と違いについて詳しく解説します。この記事を見れば、あなたのポジションに最適なグローブの特徴が見極められます!
新しく野球グローブを購入するときや、チーム内でポジションが変わるときなどの際に、参考にしてください。
野球グローブはポジションごとによって、サイズや形状に特徴があります。ポジションに適したグローブを使用することは守備でのパフォーマンス向上につながります。可能な限りはポジションと一致したグローブを使用することをおすすめします。
※この記事では、一般論をご紹介しております。同じ投手用のグローブだとしても、メーカーによって違いがあります。
また、同一メーカーでも、モデルによって個性がありますので、グローブを購入される際には、現物を確認することをおすすめします。
グローブのポジションによる区分けについて

まずは、各ポジション用グローブが何種類あるのか確認していきましょう。
ほぼ全ての野球メーカーで設定されている区分けは、「投手用・捕手用・一塁手用・内野手用・外野手用・オールラウンド用」の6種類です。
これらに加えて、一部の野球メーカーでは内野を細分化したポジション用グローブ「セカンド用・サード用・ショート用」が販売されています。
各ポジション別 野球グローブ(グラブ)の特徴
ここからは、各ポジションごとに、野球グローブ(グラブ)の特徴を解説していきます。
投手用グローブ

投手用グローブの特徴は、隙間のないウェブと指カバーが採用されていることです。
ピッチャーというポジションは、投球することが最も重要な役割になります。
そこで、隙間のないウェブを採用することで、ボールの握り方や握る際の動作などを隠せるようになっています。
また、指カバーは、投球時のクセ(人差し指の位置馬など)を隠すために採用されています。
このように投手用グローブは、捕球することよりも投球することに特化した仕様になっている場合が多いでしょう。
キャッチャーミット

キャッチャーミットの特徴は、特徴的な形状と耐久性の高さです。
キャッチャーというポジションは、打球の処理よりもピッチャーが投げたボールを捕球する場面の方が、圧倒的に多いです。
そこで、キャッチャーミットは捕球面が丸く広くなっており、ピッチャーが投げたボールを包み込むように閉じられる設計になっています。
また、ミットの革に耐久性が高いもの(和牛レザーなど)を使用したり、中の芯材を厚くすることで、他のグローブよりも高い耐久性を誇ります。
このようにキャッチャーミットは、投手の投げたボールを確実に捕球することに特化した仕様となっています。
ファーストミット

ファーストミットの特徴は、特徴的な形状と大きさです。
ファーストというポジションは、打球処理はもちろん、各ポジションから送球されるボールを捕球する必要があります。
そのため、あらゆる送球も捕れるように、他のどのグローブよりも長く大きいです。
ただし、内野として自ら打球処理を行う機会もあるため、キャッチャーミットのような厚い芯材は無く、重量も操作しやすいように軽量化されています。
このように一塁手用ミットは、捕球と打球処理の両方を意識した仕様になっています。
セカンド用グローブ(内野手用)

セカンド用グローブの特徴は、内野手の中でも小ぶりなサイズ感とポケットの浅さです。
セカンドはプレーの素早さが求められるポジションです。そのため、操作性の優れた小さめのグローブが多いです。
平成では、ボールの握りかえに主軸を置いた、極端にポケットの浅いグローブが主流でしたが、
令和では、左打者が増加したことにより強い打球の処理が増えたことから、徐々にポケットが深くなっている傾向にあります。
このように、セカンド用グローブは、操作性と握りかえに重きを置いた仕様になっています。
サード用グローブ(内野手用)

サード用グローブの特徴は、内野手の中では大きめなサイズ感と深めのポケットです。
サードは、打者との距離が近いため、打球が守備位置まで到達する時間が短く、球際のプレーが多いポジションです。
そのため、瞬時の反応でしっかり捕球ができるよう、内野手用の中でも大きめのグローブとなっています。
(プロ野球でも外野手用でサードを守る選手がいるほど、大きめのグローブが好まれています。)
なお近年では、ポケットをより深く使うために、グローブの小指袋に指を2本入れる「コユニ」仕様のグローブが増えています。
サード用グローブは、強い打球をしっかり捕球できる仕様になっています。
ショート用グローブ(内野手用)

ショート用グローブの特徴は、内野手用の中では標準的なサイズ感とポケットの深さです。
ショートは、内野の中でも特に守備機会が多くポジションです。
そのため、あらゆる打球に対応できるよう標準的なサイズのグローブが好まれています。
ポケットは握り換えがしやすい程度に、やや深めに設定されている場合が多いです。
このように、ショート用のグローブは、操作性を保ちつつ、より捕球力を高めた仕様になっています。
なお、ショート用グローブは内野手用として標準的な仕様になっていますので、各メーカーでは人気の定番モデルになっています。
外野手用グローブ

外野手用グローブの特徴は、縦に長い形状と軽量感です。
外野(レフト・センター・ライト)は、守備範囲が広いにも関わらず打球が抜けてしまうと長打になってしまうため、確実な捕球が要求されます。
そのため、外野手用のグローブは縦に長く、ポケットがかなり深いグローブとなっています。
また、打球の処理のために長距離をダッシュすることも多いため、邪魔にならないよう軽量化されているものも多いです。
このように、外野手用のグローブは、打球の捕球率を最大限に上げた仕様になっています。
オールラウンド用グローブ

オールラウンド用のグローブは、キャッチャーとファーストを除いた全てのポジションを守れるように意識された設計になっています。
見た目は内野手用に似ていますが、外野を守ることも意識して大きめとなっています。
ポケットも深めに設計されており、良くも悪くも中途半端な仕様といったグローブです。
まだポジションが決まっていない方や、複数のポジションを守るのに、グローブを1つしか所持できない人向けです。
ポジションと一致したグローブ(グラブ)しか使えないの?

各ポジション用のグローブが販売されていますが、自分のポジションとグローブが必ずしも一致する必要はありません。
※キャッチャーミットとファーストミットは使用するポジションに制限があります。
ショートでポケットの浅いセカンド用を使用してもよし、サードで更に大きい外野手用を使用しても問題ありません。
※元ホークスの松田宣浩選手は外野手用のグローブでサードを守っていたことで有名です。
大事なことは、自分のプレースタイルに合ったグローブを使用することです。
まずは、自分がどのポジションを守って、どんなプレーをしたいのか明確にすることから始めましょう。
まとめ
各ポジションによる野球グローブの特徴が理解できましたでしょうか。
ここまで解説した内容をまとめると、
各ポジション用グローブの違いは、野球メーカーがそれぞれのポジションに最適な形状を研究した集大成です。
よりグローブに詳しくなって、自分の相棒グローブを見つけてください!