メジャーリーグ・ドジャースで圧巻の投球を見せる山本由伸投手。
2025年に行われたワールドシリーズでは、日本人で2人目のシリーズ最優秀選手(MVP)に選ばれました。
彼の投球フォームの美しさや制球力に魅了される野球ファンは多いですが、その「精密さ」を支えている要因の1つにグローブがあります。
プロ入りから現在まで、山本投手はミズノ → アイピーセレクト → ナイキという3つのブランドを使い分けてきました。
どのモデルも単なる“道具”ではなく、彼の投球スタイルの進化を映す“もう一つの履歴書”ともいえる存在です。
この記事では、山本由伸投手がこれまで愛用してきた歴代グローブの特徴・デザイン・型の違いを詳しく解説。
さらに、「山本由伸モデルのグローブを再現したい」「同じ型で投げてみたい」という方向けに、オーダーや選び方のポイントもまとめました。
山本由伸投手の歴代グローブを徹底紹介!
ミズノ・アイピーセレクト・ナイキの特徴や型の違いを解説し、同型モデルを再現する方法や販売情報も掲載。ファン必見の保存版記事です。
山本由伸とは?|球界を代表する右腕のプロフィール
圧倒的な制球力とキレ味鋭いフォークボールで、今やメジャーリーグを代表するピッチャーとなった山本由伸投手。
彼の投球は「芸術的」と評されることもあり、その正確無比なフォームと繊細なボールコントロールは、多くの野球ファンを魅了し続けています。
基本プロフィール
経歴と主な実績
高校は宮崎県の名門・都城高校出身。甲子園出場こそなかったものの、当時から球速150km/hを超えるストレートと高精度の変化球を武器に注目を集めました。
2016年ドラフト4位でオリックス・バファローズに入団。
その後、独自のトレーニング理論と綿密なフォーム分析で力を伸ばし、プロ3年目には早くもローテーションの柱に成長します。
2021年には投手の主要タイトルを総なめすると、2021年・2022年・2023年の3年連続で投手四冠(「最多勝利」「最優秀防御率」「最多奪三振」「最高勝率」の4つ)を達成。
また、2022年にはノーヒットノーランを達成し、さらに2023年には史上3人目となる2年連続ノーヒットノーランを成し遂げ、その名を球史に刻みます。
2024年オフには、ロサンゼルス・ドジャースと大型契約を結びメジャーへ。
渡米後も、安定したコントロールとキレのあるボールで現地メディアからも高い評価を得ています。
使用グローブの変遷
山本投手のキャリアを語る上で欠かせないのが「グローブ」の存在です。
プロ1年目はミズノで基礎を磨き、2〜5年目の途中はアイピーセレクトで“手との一体感”を追求。
そして、5年目の途中から現在はナイキを愛用し、メジャー仕様の操作性と軽量化を両立しています。
使用グローブの変化には、単なるブランド選択を超えた「成長の軌跡」が表れています。
日本球界から世界へ——その右腕を支えてきたのは、確かな技術と信頼できる“相棒”でした。
プロ1年目:ミズノ|精密投球を支えた“原点の一本”
2017年、プロ1年目の山本由伸が使用していたグローブは、王道ブランドのミズノプロでした。
なお、ミズノプロのグローブは高校時代から使用していました。
詳細な型番やモデルは公表されていませんが、投手用では標準からやや大きめの設計に見えます。
当時から突出していた制球力と投球センスにパワーをプラスするために大きめという選択をしたのかもしれません。
カラーリングはシンプルなブラック一色。親指側に当時の背番号である「43」が刺繍されていますね。
背面は王冠スタイルで、これもまた投手では王道。
新人らしい初々しさを感じるグローブですね。
リーグの後半では、紐がレッドに変わり、バックスタイルもコネクトバックへと変更されました。
プロでの充実感がデザインにも反映されたのではないでしょうか。
彼にとってこのミズノ期は、「自分の投球フォームと感覚を固めるための基礎期間」。
道具を信頼し、道具を使いこなす――山本由伸の原点がここにありました。
プロ2〜5年目(前半):アイピーセレクト|矢田修氏と作り上げた名作
2018〜2021年のシーズン途中にかけて、山本由伸投手が使用していたのがアイピーセレクト(IP Select)。
ここから、彼のグローブへのこだわりが一気に深まります。
アイピーセレクトといえば、最大の特徴は【手の一体感】。
職人が一つひとつ手作業で仕上げるグラブは、まるで“自分の手の延長”のようなフィット感を生み出します。
山本投手が使っていたのは、アイピーセレクトを代表するアルモニーアシリーズの「Ip.01AR」。(2025年現在では阪神の大竹耕太郎投手や、日本ハムの北山亘基投手が使用中)
このアルモニーアシリーズは、現在も山本投手のトレーナーをされている矢田修氏が監修されているんです。
今までに前例が無かった「中指を出す」形状が特徴的で、腕・体幹・手のラインを意識しやすくし、「間」をつくることで動きの安定を促す設計。
山本投手の感覚と経験、矢田氏の知識、アイピーセレクトの技術が融合された、まさに名作といえるグローブです。
カラーは、以前のグローブと同様のブラックの本体にレッドの紐を採用したモデルと、配色を反対にしたレッドの本体にブラックの紐を通した2パターンを使用していました。

また、この時期は山本投手が日本球界のトップに駆け上がった”躍進の時期”。
このグローブこそが、山本由伸の“完成形”に近づくための重要な一品かもしれません。
プロ5年目〜現在:ナイキ|グローブも世界基準へと進化
そして2021年のシーズン途中から、山本由伸投手が選んだのはナイキ(NIKE)のグローブ。
このタイミングでの変更は、将来のMLB移籍がリアリティを増したことによると噂されています。(本人からの発言などはありません。)
なぜなら、アイピーセレクトのような海外に拠点を持たない国産グローブメーカーだと、どうしてもフォロー対応に時間が掛かってしまうからと考えられます。
ただし、同じくアイピーセレクトを使用していた筒香選手がMLBでもアイピーセレクトを使用していたことを考えると、他にも理由があるのではないかと思われます。
そんなグローブを変更した2021年ですが、この年から3年連続で投手四冠に輝いたわけですから、グローブの変更は正しかったと言えるでしょう。
NPB時代のカラーはブラックの本体にタンの紐という上品なカラーリングを採用。
MLBに移籍して2年目の2025年からは、ブルーの本体にブラックを散りばめたドジャースカラーとなっている。
この一本を手にした山本投手は、ついにメジャーの舞台へ行き、まさに”黄金期”を迎えています。
山本由伸と同じグローブを使いたい!|同型グローブ・販売情報まとめ
「山本由伸と同じグローブを使いたい!」そう思う方のために、各モデルを再現するためのコツと入手情報をまとめました。
▶ ミズノ期を再現する場合
山本投手がプロ1年目に使用していたミズノプロですが、残念ながらシグネイチャーモデルは存在しません。
そのため、ミズノプロのグローブをオーダーで再現するという方法になります。
当時、山本投手が使用していたウェブも廃盤になっているため完全再現はできませんが、ほぼ類似したモデルは作ることが可能です。
▶ アイピーセレクト期を再現する場合
山本投手がNPBの若手時代に使用していたアイピーセレクトの「Ip.01AR」は、現在も販売されています。
ただしアイピーセレクトは大手スポーツ量販店では取り扱われていない場合もありますので、野球専門ショップで探されることをおすすめします。
なお、カラーリングまで山本投手と揃えたい場合は、オーダーで再現するという方法になります。
当時、山本投手が使用していたグローブと全く同じモデルが手に入ります!
▶ ナイキ期を再現する場合
山本投手が現在も使用しているナイキのグローブですが、実はナイキの野球用品は日本市場からは撤退しています。
オーダーサイトなども見当たらないため、海外(主にアメリカ)で市販されている物を購入するしか方法はありません
稀に通販サイトで販売されていたり、フリマサイトで出品されている場合がありますので、気長に探し続けましょう。
まとめ|グローブの進化が語る、山本由伸の成長物語
ミズノの精密さ、アイピーセレクトの一体感、ナイキの世界基準――。
山本由伸投手のグローブ遍歴をたどると、
そこには“成長”と“挑戦”のストーリーがはっきりと浮かび上がります。
彼にとってグローブは、単なる道具ではなく「信頼の証」。
手に馴染み、感覚を共有し、最高のパフォーマンスを引き出す“相棒”です。
もしあなたが、「自分も山本由伸のように理想の一本を見つけたい」と思うなら――
この記事をヒントに、自分の手に最も合うグローブを探してみてください。
山本投手のように、自分の手と心に“ぴったりフィットするグラブ”と出会えるはずです。





