数あるグローブの中でも、特殊なのがキャッチャーミットですよね。形状から使い方まで、キャッチャーミットは他のポジションのグローブとは全く違います。
そのため、これからキャッチャーを始める方は、どのキャッチャーミットを購入すれば良いか悩みますよね。
当記事では、そんなキャッチャーミットの特徴からモデルによる違いを詳しく解説します。この記事を読めばどんなキャッチャーミットが自分に合っているのかがわかります。
キャッチャーミットは、打球処理だけでなくピッチャーが投げる球の捕球もします。重要なポジションなだけに、自分のプレースタイルに合った最高の相棒(キャッチャーミット)を見つけましょう。
キャッチャーミットは、どれも似ているように見えますが、細かな違いが多くあります。形状・重さ・ポケットの位置など。
また耐久性を重視した素材で作られているため、価格は高めになりますので、安易な選択は避けることをおすすめします。
キャッチャーミットの特徴

キャッチャーミットは、ピッチャーが投げるあらゆる球の捕球や、多様なプレーに対応できるように設計されており、捕球の安定性、衝撃吸収、操作性を重視して作られています。
まずは基本的な、キャッチャーミットの特徴を以下にまとめてみました。
キャッチャーミットの形状
- 指の区分がない一体型
キャッチャーミットは一体型デザインで、他のポジション用グラブのように指が分かれていません。これにより、捕球面が広く、ボールを効率的にキャッチできます。 - 円形に近い形状
丸みを帯びた形で、ピッチャーの投げる球を確実に受け止められるように設計されています。
パッドの厚み
- 厚めのクッションパッド
ピッチャーの速球や力強いボールを受け止めるために、ミットの内部には厚いパッドが入っています。これにより、手に伝わる衝撃を和らげます。 - 指先の保護
キャッチャーミットは、特に指先部分に追加のパッドや補強が施されていることが多いです。これにより、捕球時の衝撃から指を守ります。
耐久性
- 硬い素材の使用
キャッチャーミット(特に硬式用)は、ボールの衝撃に耐えるため、本革などの耐久性の高い素材で作られています。 - 長期間の使用に耐える設計
キャッチャーミットは頻繁にボールを受けるため、摩耗しにくいように作られています。特に捕球面や縫い目部分が強化されています。
重量
- やや重め
厚みのあるパッドや耐久性の高い素材を使用しているため、他のポジション用グラブよりも重い傾向があります。
最近のモデルでは軽量化が進んでいますが、他のポジションと比較すると重いです。
キャッチャーミットの選び方

キャッチャーミットには、素材、形状、用途、ポケットの深さ、ブランドによってさまざまな違いがあります。
以下に主な違いやポイントを紹介しますので、自分の目的やプレースタイルを想像しながら、どちらが合うか確認しましょう。
用途による違い
- 硬式用
- 硬式野球専用で、硬いボールに耐えられるように作られています。
- 厚い本革を使用し、耐久性と強度が高い。
- 硬い分、使い始めに慣らし(型付け)が必要です。
- 軟式用
- 軟式ボールに対応した設計で、硬式用より軽量。
- 柔らかい革や合成皮革が使われていることが多く、型付けが比較的簡単。
- ソフトボール用
- ソフトボールの大きさに合わせた設計で、ポケットが大きく、広い捕球面があります。
- 捕球しやすいが、硬式や軟式用とは形状が異なるため、兼用は難しい。
素材による違い
- 本革製
- 耐久性が高く、使い込むほど手に馴染む。
- 初期は硬いが、型がつけば長期間使用可能。
- 価格が高い。
- 合成皮革製
- 軽量で柔らかく、初心者向け。
- 手入れが簡単だが、耐久性が低い。
- 比較的安価。
ポケットの深さの違い
- 深いポケット
- 捕球しやすく、ボールをしっかりキャッチできる。
- 初心者や守備重視の選手に向いている。
- 素早い送球にはやや不向き。
- 浅いポケット
- 捕ったボールをすぐに取り出せるため、送球の速さを求める選手に適している。
- 捕球の安定性よりも機動性を重視。
形状の違い
- ヨコ型(スタンダード型)
- 手を入れる間口が親指寄りで、横から手を入れるイメージ
- 親指から小指(ミットの対角線)が広いため的を大きく使えるが、捕球面が浅くなりやすい。
- ポケットはウェブ下のやや親指より
- 捕球後の握りかえや、打球処理を重視したい選手におすすめ
- タテ型(ボックス型)
- 手を入れる間口がヒンジ寄りで、縦に手を入れるイメージ
- 親指から小指(ミットの対角線)がやや狭いことで、ポケットを深く扱える。
- ポケットはミットの中央
- ピッチャーが投げる球を、確実に捕球することを重視する選手におすすめ
サイズの違い
- 大きいミット
- 広い捕球面があり、ミスを防ぎやすい。
- 初心者や守備範囲を広くしたい選手向け。
- 小さいミット
- 操作性が良く、ボールの動きに素早く対応できる。
- 上級者や機動力を重視する選手向け。
カラーリングによる違い
- ユニホーム(キャッチャー防具)と同系色
- 投手から見て違和感がない。ただし、的を意識して投げる投手であれば目立つ捕球面のミットの方が良いです!
- ユニホーム(キャッチャー防具)と対照色
- 投手は"的"を意識して投げやすい。投手によっては、集中力の妨げになる可能性もある。
- マチ部分のみ目立つカラーリング
- マチ部分(ミットの外周)のみが浮き上がって見えるためターゲット性が向上する。
所属する野球連盟によっては配色の制限があるため注意。
- マチ部分(ミットの外周)のみが浮き上がって見えるためターゲット性が向上する。
(参考)キャッチャーミットの価格帯
- 低価格モデル(5,000~15,000円)
- 主に合成皮革製で、初心者や少年野球向け。
- 柔らかく扱いやすいが、耐久性は低め。
- 中価格モデル(15,000~30,000円)
- 本革製が多く、耐久性とコストパフォーマンスに優れる。
- 中級者向け。
- 高価格モデル(30,000円以上)
- プロ仕様や高品質な素材を使用したモデル。
- 高い耐久性とパフォーマンスが求められる選手向け。
日本を代表するキャッチャーと使用ミットを紹介

ここまでキャッチャーミットの特徴や、違いについて解説してきました。
ここからは具体的に、プロ野球の名捕手モデルのキャッチャーミットを一部ご紹介します。
キャッチャーミット選びの参考にしてみてください。
(SH)甲斐拓也選手 ハタケヤマ M19型
甲斐選手は現代のプロ野球界で代表的なキャッチャーのひとり。2024年のリーグ優勝にも貢献した、ホークスの扇の要です。
何度も日本代表に選出された経験もあり、「甲斐キャノン」は有名な愛称ですね。
そんな甲斐選手が使用するモデルのキャッチャーミットは、ハタケヤマのM19型です。
標準的なサイズのヨコ型で、重量はキャッチャーミットの中では軽量です。
ポケットが極めて浅いキャッチャーミットで、素早いスローイングを追及した握り替えの速さをサポートする設計になっています。
甲斐選手の代名詞でもある「甲斐キャノン」は、浅いミットによる握りかえ速さと、鍛え上げた強肩の合わせ技といえますね。
(G)小林誠司選手 ZETT 920型
小林選手はジャイアンツに所属するキャッチャーで、菅野智之投手が相棒に指名していることでも有名です。
キャッチングの技術や、強肩に定評があり、お手本にしているアマチュア野球人も多いのではないでしょうか?
そんな小林選手が使用するモデルのキャッチャーミットは、ZETTの920型です。
標準的なサイズのタテ型で、重量は標準からやや重めといった印象です。
ポケットが深いキャッチャーミットで、しっかりと捕球をしやすい形状となっています。
また、ZETTのキャッチャーミットは革に定評があり、捕球音の響きは憧れる人が多いのではないでしょうか。
(C)坂倉将吾選手 ミズノ 坂倉モデル
坂倉選手は先日のプレミア12でも日本代表に選ばれた、若手のポープです。
打てる捕手として、打撃のイメージが強いですが、2024年シーズンはカープの正捕手として成長を見せました。
そんな坂倉選手が使用するモデルのキャッチャーミット は、ミズノの坂倉モデルです。
サイズはミズノが製造するキャッチャーミットの中で最も大きいですが、ポケットは浅めの形状です。
サイズが大きさをポケットの浅さでカバーすることによって、捕球後のプレーも考えられた設計です。
ただし、サイズが大きくポケットが浅いミットは標準的ではないため、相性が良いか見極める必要がありそうです。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ここまで解説した内容をまとめると、
キャッチャーはチームの勝敗に関わるプレーに多く関わるポジションです。
1球1球のプレーの重要性が高いポジションであるため、キャッチャーミットにはこだわりましょう。
同チームにキャッチャーミットを所有している選手が少ないため、情報交換が難しいのが難点ですが、チャンスがあれば相手チームのキャッチャーと情報交換してみるのも良いかもしれません。
また、店頭で売られているキャッチャーミットは、非常に硬い場合が多いです。
自分で型付けする場合は、購入後から実戦で使用できるようになるまで、数ヶ月かかることもあります。
そのため、可能であればお店で型付けを依頼しましょう。(店舗によっては持ち込み型付けも対応しています。)
ぜひ、最高の相棒(キャッチャーミット)を見つけてくださいね!