ジャイアンツの坂本勇人選手が冷凍庫でグローブを保管しているという噂を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
何のために?どんな効果があるの?と疑問に思った野球人は多いでしょう。
当記事では、グローブを冷やす目的とその効果について詳しく解説します。この記事を読めば、冷やされたグローブがどのようにパフォーマンスに影響するのかがわかります。
実際にプロの選手が活用されているように、グローブを冷やすことのメリットは多くあります。自分が使用しているグローブの状態を把握し、グローブを冷やすべきか見極めましょう。
グローブを冷やすことは、グラブコンディションを整える効果を発揮します。しかし、急激に冷やすことはストレスを与えることにもつながるため、注意が必要です。
坂本選手意外のプロ野球選手も取り入れてる!
野球グローブを冷蔵庫で冷やすことは一般的ではありませんが、実はプロ野球選手も取り入れているそうです。
冷凍庫でグローブを冷やす方法は、ジャイアンツの坂本勇人選手が取り入れていることで有名ですよね。
冷蔵庫でグローブを冷やす方法は、ライオンズやMLBで活躍された松井稼頭央選手が取り入れていたそうです。
松井稼頭央さんの場合は、霧吹きで水を全体に吹き付けてから、冷蔵庫で保管するそうです。
どちらの選手も守備には定評がある選手ですので、期待が持てますね。
なぜ野球グローブを冷やすのか?(目的)

なぜ、坂本選手たちはグローブを冷やすのでしょうか?
その目的は以下の2つが考えられます。
野球グローブを冷蔵庫や冷凍庫で冷やす目的は、グローブを好みの状態へ意図的にコントロールするためと言えます。
「グローブを好みの状態にする」と抽象的な表現をしましたが、人それぞれ好みのグローブが異なるため、あえて曖昧な言葉を使わせてもらっています。
では、冷凍庫や冷蔵庫を使用することで何がコントロールできるのかと言いますと、それは「グローブの硬さ」です。
それでは、以降の項目にて詳しく解説していきます。
グローブを冷やす目的①:形状維持(主に革の硬さ)
グローブの大半を占める「革」は、熱によって柔らかくなります。
専門的に解説すると、革の主成分であるコラーゲンが熱によって構造変化(ゼラチン化)し、繊維が解れて柔らかくなるという性質があります。
この逆の原理で、革が冷えると主成分であるコラーゲンの繊維が収縮し、革が引き締まります(硬さが戻ります)。
グローブを冷やすことで、革の繊維が引き締まった状態をキープすることができ、良い型のまま形状維持することができます。
グローブを冷やす目的②:捕球面のコシの調整(主にグリスの硬さ)
グローブの捕球面の内側には、「グリス」が塗り込まれています。
グリスは、表革(捕球面)と裏革(内袋)を接着するだけでなく、捕球面の硬さにも影響してきます。
グリスは固形の油ですので、「冷えていると固く」「温めると柔らかく」変化します。(バターを想像するとわかりやすい!)
グローブを冷やすことで、捕球面のコシが強くなることで、グローブを硬くすることができます。
冷蔵庫や冷凍庫に入れてはダメなグローブがある?

実は、グローブの素材や状態によって、冷蔵庫や冷凍庫で冷やすことをお勧めできない場合があります。
以下に該当するグローブは、冷蔵庫や冷凍庫でグローブを冷やさないようにしましょう。
もし、上記に該当するグローブを硬くしたいのであれば、革ひも(レース)の全交換や、グリス補填などの別の方法を検討しましょう。
【実践編】正しいグローブの冷やし方を解説

ここまでの解説を読んで、「自分もグローブを冷やしてみよう!」と思った方のために、冷蔵庫・冷凍庫でグローブを冷やす際のポイントを解説します。
グローブを冷やす時間と頻度は?
グローブを冷蔵庫・冷凍庫で冷やす際に最も重要なのが「冷やす時間」と「冷やす頻度」です。
まず冷やす頻度については、夏場にある試合の直前だけにしましょう。
グローブを冷やした際の効果は一時的である上に、冷やし過ぎてグローブの状態が悪くなるリスクを考えると、頻繁にグローブを冷やすことはおすすめできません。
では、「どれくらいの時間冷やせばよいか?」については、以下を目安にしてください。
※上記の時間はあくまで一般論であり、所有するグローブの状態によって影響が異なります。
初めて行う場合は、短い時間で繰り返し様子を見ながら冷やしましょう。
野球グローブを冷蔵庫や冷凍庫で冷やす際の注意点
グローブを冷やす行為はメリットだけではありません。
グローブの変化を無理やりコントロールするため、リスクも伴います。
以下に野球グローブを冷蔵庫や冷凍庫で冷やす場合の注意点をまとめてみました。
本来のグローブの使用環境では、急激に冷やされることは想定されていません。
そのため、グローブを冷やしすぎは絶対にNGです。
実践する場合には、事前に注意点をしっかり理解しておきましょう。
参考動画
参考動画として、グラブ修理 Magoチャンネルさんが、実際にグローブを冷やす実験をされていたので紹介します。
冷凍庫編 ー【巷のうわさを検証】ミズノプロを冷凍庫で冷やした結果。。。!?
冷蔵庫編 ー【グラブ修理】冷蔵庫でグラブを保管してみたら予想外の展開に。【検証】
まとめ
グローブを冷蔵庫・冷凍庫で冷やす目的と効果がわかりましたでしょうか。
ここまで解説した内容をまとめると、
グローブを冷やすことで、革の繊維が締まり、グリスや羊毛が固まることで、グローブ全体の硬さを取り戻すようです。
これらは、あくまでグローブが冷えている状態に限るため、外気に触れて常温に戻れば、効果もなくなります。
そのため、1試合もしくは、1イニングのみの対策といったところでしょうか。
アマチュア野球では、グラウンドに冷蔵庫や冷凍庫がないので、クーラーボックスで代用してみるのも、ありかもしれません。
また、メーカーは冷凍庫や冷蔵庫での保管を推奨していないので、実践する場合は自己責任で行いましょう。