野球グローブの土手部分にある芯とじのひもを抜いている人が、チームにもいるんじゃないでしょうか?
「それってどんな効果があるの?」と思っている方も多いんじゃないでしょうか。
そこで当記事では、野球グローブの土手ひもを抜くメリットから、土手ひもの抜き方まで詳しく解説します。
私も学生時代から現在まで、土手ひもを抜いたグローブでプレーしています!
ぜひメリットとデメリットを理解して、土手ひもを抜くべきか見極めていきましょう!
野球グローブの土手ひもを抜くことで、グローブ全体の操作性向上が狙えます。しかし、型が崩れるリスクもあるため慎重に判断しましょう。
土手ひもとは?どんな役割?
土手ひもとは、その名の通り野球グローブの土手部分に付いている紐です。
市販されているグローブの多くは、土手ひもが通されいる物がほとんどです。

土手ひもの役割は2つあります。
1つは「パッド(土手芯)と表の革(捕球面)を土手ひもで固定する」こと。
もう1つは、「パッド(土手芯)の形を保つ」ことです。
これらの役割が果たされることで、グローブ本来の立体的な形を保っているのです!
なお、土手ひもの通し方は、定番からメーカー限定のパターンを含めて7種類あります。
各土手ひもパターンの詳細については別記事にて詳しく解説していますので、そちらをお読みください!
土手ひも抜きとは?
野球グローブにおける「土手ひも抜き」とは、ヨコトジ(ダブル)の土手ひもパターンから、芯を固定するひもを抜いた状態を指します。

土手ひもを抜いてプレーすることはルール上問題なく、プロアマ問わず定番のカスタマイズの1つです。
土手ひもを抜くことで、グローブにいくつか影響(変化)を与えます。
以降の項目にて、メリットとデメリットをそれぞれ解説しますので、しっかり学んでいきましょう!
土手ひもを抜くメリット

まずは土手ひもを抜くことで、どんなメリットがあるのか解説していきます。
簡単にまとめると、以下のようなメリットが挙げられます。
では、それぞれの項目について詳しく解説していきます。
メリット①:グローブが柔らかくなる
メリットの1つ目はグローブが柔らかくなることです。
土手ひもをにも使われている革ひも(レース)は、ある程度の硬さを保持しています。
そんな革ひもが通っていることで、グローブを握る時に多少の抵抗が発生しているんです。
そのため、土手ひもを抜くと革ひもの抵抗が無くなるので、グローブが柔らかくなります。
握力に自信がない小学生・中学生には、とてもおすすめです!
メリット②:操作性が向上
続いてのメリットは、グローブの操作性が向上することです。
土手ひもはパッド(土手芯)の形を保つ役割を果たしていますが、それを抜くことで平らに固定されていたパッドが屈曲しやすくなります。
パッドに自由度が生まれたグローブは、手に馴染むように動かすことができます!
手のひら捕球をとことん追求したい選手に土手ひも抜きは、相性ピッタリです!
メリット③:ポケットをより浅くできる
メリットの3つ目は、グローブのポケットをより浅くできることです。
土手ひもを抜くことで、本来の役割であるパッド(土手芯)と表の革(捕球面)の固定が解除されます。
それによって、表の革が独立して動くようになり、グローブを横に開きやすくなります。
グローブが横に開きやすいことで、結果的にポケットの浅い型に仕上げることが可能になります!
久保田スラッガーなどのポケットが浅いグローブを見ると、土手ひもが抜かれている場合が多いですね。
メリット④:親指を内側に曲げやすくなる
4つ目のメリットは、グローブの親指を内側に曲げやすくなることです。
親指の付け根部分は、親指芯と土手芯が触れあっています。
そのため、グローブの親指を内側に曲げると、親指と土手の芯材が干渉してしまい抵抗を受けてしまいます。
ただし、土手ひもを抜くことで土手芯が解放され、親指を内側に曲げた時には小指側に逃げることが出来ます。
それによって、芯材の干渉による抵抗が解消され、親指を内側に曲げやすくなります。
もっと親指を効かせて捕球したい人は、試してみる価値があると思います!
土手ひもを抜くデメリット(注意点)

土手ひも抜きは、当然メリットだけではありません。
土手ひもを抜くデメリットや注意点がありますので、それらも理解しておきましょう。
簡単にまとめると、以下のようなデメリットが挙げられます。
では、それぞれの項目について詳しく解説していきます。
プレースタイルやグローブの使い方によっては、土手ひも抜きをおすすめできない可能性もあるので注意しましょう。
デメリット①:球際の強度が落ちる
土手ひもを抜くデメリットの1つ目は、球際の強度が落ちることです。
球際の強さとは、グローブの指先やウェブ先で捕球した時に打球の勢いに負けないことです。
本来は土手の形が保たれることで、グローブを閉じた時の指先が内側に向きボールが引っ掛かります。
しかし、土手ひもを抜くことで土手が潰れてしまうと、指先が真っ直ぐになってしまい、ボールが引っかからず抜けてしまう可能性がでてきます。
土手ひもを抜く場合は、土手を潰し過ぎないように注意しましょう!
デメリット②:現状の型が崩れるリスク
続いてのデメリットは、現状の型が崩れる可能性があることです。
土手紐を抜くことで、パッド(土手芯)の硬さが失われます。
特に土手の硬さが必要なボックス型に仕上げている場合は、土手の硬さがなくなることで型が崩れるリスクがあります。
現状の型や、これから作りたい型との相性も考えるようにしましょう!
デメリット③:中古グローブだと柔らかくなり過ぎる
デメリットの3つ目は、中古グローブだと柔らかくなり過ぎることです。
メリットの1つ目でも説明したとおり、土手ひもを抜くと革ひもの抵抗が無くなるので、グローブが柔らかくなります。
現状のグローブが硬いと感じている人にはメリットですが、既に使い込んだグローブの場合は、グローブが柔らかくなり過ぎる可能性があるので注意しましょう。
なお、硬さは保ちつつ、その他のメリットを受けたい場合は、連結紐通しの土手ひもパターンを採用するのがおすすめです。
土手ひもの抜き方を紹介!

土手ひもの抜き方は、意外にも簡単です。
特に必要な物はなく、自宅で簡単にできます!(細めのペンチがあればより簡単です)
土手ひもの抜き方はスポーツデポさんの動画(YouTube)でわかりやすく解説してくれています。
ぜひ参考にして、土手ひも抜きに挑戦してください。
※土手ひもを通すことは難易度が高い(手間が増える)ため、よく考えてから行いましょう。
(参考)土手の硬さだけ残したい場合は連結通しを選ぼう
土手ひも抜きを考えている選手の中には、土手は硬いままが良いと思っている人もいるのではないでしょうか?
そんな時には、連結通しがおすすめです。
連結通しとは、SSKでオーダーできる土手ひもの通し方です。元ロッテ・阪神の西岡選手が採用したことで有名です。

本来の土手ひもは表革の親指の付け根まで通しますが、連結通しの場合、表革は土手部分しか通しません。
そのため土手ひも抜きと同様に、親指の可動域が広くなり、操作性をあげることができます。
そのうえ、土手部分には硬さを残すことができます。
グローブの操作性を上げたいが、柔らかくなり過ぎるのが嫌な選手は、連結通しを検討してみてください!
まとめ
野球グローブの土手ひもを抜くメリットが理解できましたでしょうか。
ここまで解説した内容をまとめると、
土手ひも抜きは、特に操作性や柔らかさを重視する選手にとって有効なカスタマイズです。
ただし、耐久性の低下やグローブの構造に影響を与える可能性もあるため、目的やポジションに応じて慎重に判断することが大切です。
皆さんもぜひこの記事を保存して、土手ひも抜きに挑戦してみてくださいね。