「捕球の瞬間にボールが弾かれてしまう」「小指側でうまく挟めない」——そんな悩みを解決してくれるのが、ローリングスの「フィンガーシフト設計」です。
プロから学生プレーヤーまで幅広く支持されている理由は、指の使い方を最適化した独自構造にあります。
本記事では、ローリングスの「フィンガーシフトシリーズ」のグローブについて、その魅力とメリットを徹底解説していきます。
これからコユニに挑戦する選手にもおすすめの機能なので、興味がある方は要チェック!
ローリングスが展開する「フィンガーシフト設計」は、従来の指配置を見直すことで、より自然な捕球動作を実現した最新テクノロジーです。
「コユニに挑戦したいなら、まずはフィンガーシフトシリーズのグローブ」と言っても過言ではないでしょう。
フィンガーシフトとは?
フィンガーシフト設計の概要

フィンガーシフト設計とは、ローリングスが展開する、従来の小指2本入れグローブから一工夫した独自構造を指します。
近年、野球界のトレンドになっている「コユニ」の新しい形という表現が近いでしょう。
通常のコユニでは、親指以外の4本を1つずつ小指側にズラすことで、小指かけに小指と薬指を通しますが、
フィンガーシフト設計の場合は、コユニで装着しているにも関わらず、小指だけが小指かけに入る設計になっています。
それによって、自然に違和感なく、コユニで装着できるのが特徴です。
詳しくは、後ほど紹介していきます。
どんなプレーヤーにおすすめ?
フィンガーシフトシリーズのグローブは、以下のような選手におすすめです。
- これからコユニに挑戦したい選手
- 通常のコユニを使用しているが、グローブに違和感がある選手。
- 深いポケットでしっかり捕球したい選手。
フィンガーシフトは、通常のコユニとは少し異なった性質を持っています。
こうした悩みやニーズを持つプレーヤーには、フィンガーシフト設計のグローブをぜひ試していただきたい。
きっと新境地を切り開くことができるでしょう。
フィンガーシフトシリーズの特徴

フィンガーシフトシリーズのグローブは、いくつかの特徴があります。
フィンガーシフト設計を採用したグローブの購入を考えている方は、しっかりと特徴を理解しておきましょう。
特徴①:小指2本入れ(コユニ)仕様
フィンガーシフトシリーズのグローブは、基本的に小指2本入れ(コユニ)仕様になります。
と言うよりは、指袋の構造上、そのまま装着すると勝手に小指2本入れの状態になります。
人差し指側に1つずつズラすことも可能ですが、グローブバランスが崩れるため、おすすめはしません。
特徴②:小指かけが外側にある
フィンガーシフトシリーズの自然な装着感は、小指かけに秘密があります。
通常の小指かけの位置は、小指内側に通してありますが、
フィンガーシフト設計の場合は、小指外側に小指かけが通っています。
こうすることによって、より外側まで小指かけを締めることができ、コユニで装着しているにも関わらず、小指だけが小指かけに入る設計になっています。
特徴③:小指芯ドメ紐の通し方(モデルによって異なる)
フィンガーシフト設計では、指が詰まらないように小指芯ドメ紐が特殊な通し方となっているモデルがあります。
具体的には、934FSなどの小型内野手用グローブの場合に、小指芯ドメ紐の手口側があえて外した通し方をしています。
それによって、薬指が詰まってしまうのを防ぎ、しっかりと奥まで手を入れることができます。
なお、54FSも同じ11.5インチですが、手口から小指までの距離が長いため、通常の3ループ通しとなっています。
イシハラタカシさんのYouTube動画がとても分かりやすかったので、以下に掲載させていただきます。(小指芯ドメ紐については3:00頃から)
特徴④:指股が中指と薬指の間にある(モデルによって異なる)
フィンガーシフト設計とは別の機能ですが、ローリングスでは、指股(=ガセット)が中指と薬指の間に設定したモデルが多いです。
これをミドルガセット設計と言います。

この位置に指股があることで、「人差し指・中指」と「薬指・小指」で連動性を分離することができます。
それにより、グローブの薬指と小指が動かしやすくなり、ボールを包み込むように閉じられます。
また、人差し指と中指が開閉動作から分離されることで、深いポケットをキープすることも出来ます。
まさに、しっかりとした捕球に特化した設計と言えるでしょう。
フィンガーシフト設計のメリット

フィンガーシフト設計のグローブを使うことで、次のようなメリットがあります。
フィンガーシフトシリーズのグローブは、コユニ初心者から経験者までの全ユーザーが使えるグローブですが、特にコユニ初心者におすすめしたいグローブと言えます。
またコユニ仕様のグローブ全体に共通して言えることですが、「送球に自信があるから、捕球率を上げたい」という選手には相性バツグンです。
フィンガーシフト設計を採用したおすすめモデル
フィンガーシフト設計を採用したグローブの中で、おすすめのモデルを4つ紹介します。
おすすめモデル①:NP6FS(サード用)
NP6FSは、サイズが12インチ(=30.48cm)のサード専用グローブ。
東北楽天ゴールデンイーグルスに所属している浅村選手が使用しているモデルです。
親指をやや外向きに固定した状態で挟むように捕球する「はさみ型」となっていて、ウェブ下の深いポケットでしっかり打球を掴みます。
また、サイズの大きさを活かして、速い打球の捕球率を高められるグローブです。
もし、サイズが大きいと感じる人は、「NP4」や「NP2」がサイズ違いで展開されているので、自分の手のひらに合わせたサイズを選ぶのがおすすめです。


おすすめモデル②:N54FS(内野手用)
N54FSは、サイズが11.5インチ(=29.21cm)の内野手用グローブ。
NP6型とは異なり、N54型は親指と小指が重なるように閉じて捕球する「ボックス型」となっていて、人差し指下にポケットが出来ます。
外野手用グローブのパカパカした開閉動作に近いので、外野から内野にコンバートした選手にもおすすめ!


おすすめモデル③:B88FS(外野手用)
B88FSは、サイズが12.5インチ(=31.75cm)の外野手用グローブ。
日本では外野手用として定番のパカパカ型(親指と小指が重なるように閉じるタイプ)となっていて、クセのないモデルです。
やや小型の操作性の良い外野手用グローブが好みの方には、相性が良いと思います。
もちろんフィンガーシフト設計なので、外野手用でも小指かけが、小指だけに掛かるようになっています。


おすすめモデル④:HYPER TECH R2Gシリーズ
やや毛色が変わりますが、フィンガーシフトのグローブを安く試したい方は、「HYPER TECH R2Gシリーズ」がおすすめ。
HYPER TECH R2Gシリーズとは、グローブを柔らかく仕上げられた、いわゆる即戦力グローブ。
そんなHYPER TECH R2Gシリーズから、内野手用では「54FS」と「934FS」、外野手用では「B88FS」が発売されています。
軟式用のみではありますが、価格が20,000円以下で購入できるのは超魅力的!
いきなり高いグローブを買うのは不安な人は、HYPER TECH R2Gシリーズのグローブでお試しあれ。


まとめ
今回は、ローリングスから販売されているフィンガーシフトシリーズについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ここまで解説した内容をまとめると、
フィンガーシフトは、今までのコユニ仕様のグローブとは異なるグローブと言っても過言ではないと私は思っています。
もし、従来のコユニグローブで相性が悪いと感じた人も、フィンガーシフトなら自然に扱えるかもしれません。
野球ショップでフィンガーシフトのグローブを見かけたら、ぜひ手にはめてみてください。きっと驚きますよ!