昨今では各メーカーから多種多様なウェブが出ていますよね。
でも、「どれを選べば良いかわからない!」「何が違うの??」と疑問に思っている方も多いはず。
そこで当記事では、グローブにおけるウェブの種類や特徴を詳しく解説します。
ウェブは野球グローブを構成しているパーツの中でも、大きな範囲を占めているため、ウェブ選びは重要なポイントと言えます。
この記事を読んで、自分のプレースタイルに最適なウェブを見つけましょう!
野球グローブにおけるウェブは、親指、人差し指、手のひらをつなぐパーツで、大きく分類して6種類に分けることができます。
それぞれにメリットとデメリットが存在するため、自分のプレースタイルに合うウェブを選ぶことが重要です。
野球グローブのウェブとは
そもそも野球グローブにおける「ウェブ」というパーツについて説明します。
ウェブは、グローブの親指、人差し指、手のひらをつなぐ、革及び紐を用いたパーツを指します。

ウェブは大きく分けて、以下の7種類に分類することができます。
これらをベースに、各メーカーごと独自のデザインに設計されています。
この記事では、これらの7種類の基本形に加えて+αを解説していきます!
ウェブの役割

次に野球グローブのウェブはどんな役割を果たしているのか説明していきます。
自分に最適なウェブを選ぶためには、まずウェブの役割を理解しておきましょう。
グローブの役割は以下の3つ!
それでは、各役割について詳しく解説していきます。
役割①:ボールを捕らえるためのサポート
ウェブは、グローブに入ったボールを確実に掴むための補助的な役割があります。
フライやライナーを捕る際には、ウェブ下の深いポケットで捕球します。
その打球が強烈なほどボールがグローブ内で暴れやすいですが、ウェブがクッションのように働いて、しっかり打球をホールドできます。
役割②:グローブ開閉時の柔軟性を調整
ウェブは、グローブ開閉時に適度な柔軟性を与える役割を果たします。
グローブの開閉時には、ウェブも適度に屈曲します。
このウェブが屈曲する際の抵抗力が、グローブに適度な柔軟性へと調整してくれます。
なお、ウェブの種類(革面積の多さなど)によって屈曲時の抵抗力や使用感が異なるため、ウェブ選びはとても重要であることが言えます。
役割③:クセ・球種の握りを隠す(投手のみ)
投手にとって、ウェブの最も重要な役割が、クセ・球種の握りを隠す役割です。
投手は投げる球種によって握り方が変わるため、マウンド上で任意の球種に持ち帰る必要があります。
その際に、ボールの握り方やクセを打者に見抜かれてしまうとリスクがあるため、隙間の無いウェブで球種がバレるのを防ぎます。
ウェブの種類と特徴

ここからは具体的に、ウェブの種類と特徴について解説していきます。
1ピース型ウェブ(全面タイプ)
1ピース型ウェブ(全面タイプ)は、ウェブ部分全体が一体の革で覆われたデザインで、投手用として最適なウェブです。

このタイプのウェブは、シンプルな構造で接合部が少ないため、耐久性に優れていることと、ボールの握りを完全に見せないことがメリットです。
その反面、デメリットは、他のウェブに比べて革の範囲が広いため重量があります。軽量性を求める選手には不向きな場合があります。
また、1ピースウェブ(全面タイプ)は投手の大半が使用するウェブであるため、各メーカー独自デザインのウェブが豊富にあります。
その中から選ぶポイントは、「切込みの位置」「革が薄い範囲」「革紐の有無」で判断するのはポイントです。

例えば、親指の先から人差し指の根本にかけて斜めに切込みが入っているウェブは、横型のグローブを閉じた際にウェブが切込み箇所で屈曲するため、握りこみやすくなっています。
このように、1ピースウェブ(全面タイプ)を選ぶ際には、デザインの意図を読み取って選ぶことが重要です!
1ピース型ウェブ(部分タイプ)
1ピース型ウェブ(部分タイプ)は、ウェブ部分の上部8割が覆われる一枚の革を、捕球面と紐で繋いだデザインで、内野手用として最適なウェブです。

1ピース型ウェブ(部分タイプ)のグローブを使用しているプロ野球選手は、ジャイアンツOBの仁志選手が有名です。
このタイプのウェブは、全面タイプの1ピースウェブに比べ革の面積を減らしているため、耐久性を残しつつ若干の軽量化がみられます。
その反面、デメリットは、ウェブの大半が革のため、グローブの柔軟性と開き具合はH型ウェブに劣ります。
良くも悪くも、1ピース型(全面タイプ)とH型の中間といったイメージでしょう。
1ピース型ウェブ(部分タイプ)が気になる方は、全面タイプの1ピース型とH型も試してから選択するのがおすすめです。
2ピース型ウェブ
2ピース型ウェブは、1ピース型ウェブ(全面タイプ)を2つに分割したデザインで、主に投手用で採用されます。

2ピース型ウェブのグローブを使用しているプロ野球選手は、ドジャースの大谷選手や、ライオンズOBの松坂投手が有名です。
このタイプのウェブは、革面積が広いですが上下に分割されているため、1ピース型と比べて若干グローブの操作性・柔軟性が向上しています。
また、2ピースウェブは大きい革パーツを2つ使用することから、グローブが縦に長くなりやすい。
そのため縦型のグローブと相性が良いです。
MLBでは定番のウェブで、多くのMLB投手が採用しているウェブです。
その反面、デメリットは、日本ではマイナーなウェブであることと、革面積が広いことによる重量感があげられます。
2ピース型ウェブが気になる方は、グローブの重量感がプレイに合うかどうか試してみることが重要です。
H型ウェブ
H型ウェブは、アルファベットのHを横にしたような形状の革を紐で繋いだデザインで、主に内野手用で採用されます。

H型ウェブは、現代の日本野球における内野手で最も定番なウェブと言えるでしょう。
プロ野球界でも多くの選手が採用しており、代表的な選手としてジャイアンツの坂本選手や、ホークスの今宮選手が有名ですね。
このタイプのウェブは、革面積が少ないため軽量で操作性に優れていることや、グローブのポケット部分と紐のみでつながっている事から、ポケットが広く浅いグローブに仕上げやすいことがメリットです。
その反面、デメリットは、紐部分に負担がかかりやすく、紐が切れやすいことがあげられます。
なお、革面積の少なさや、グローブとウェブの接合箇所の少なさから、グローブを閉じた際の抵抗は最も小さいです。
それによって、良くも悪くもグローブが柔らかくなりやすいウェブであることに留意しておきましょう。
クロス(十字)型ウェブ
クロス(十字)型ウェブは、3つの長方形の革をクロス(十字に交差)させたデザインで、ポジションを問わず採用されています。

クロス(十字)型ウェブのグローブを使用しているプロ野球選手は、カープの菊池選手や、ファイターズの万波選手が有名です。
このタイプのウェブは、古くから存在しており、ポジションを問わない汎用性の高さと程よいウェブ強度がメリットです。
革が捕球面まで接しているため、似ているH型ウェブと比較すると、ポケットが深い型に仕上がります。
特記するほどのデメリットはありませんが、ポジションに特化していないことがデメリットとも言えます。
外野手用では、グローブの大きさに対応してバーの本数が多いタイプが採用されます。

MLBでは、外野手用グローブの定番として多くのMLB選手が採用しているウェブです。
縦と横それぞれのバーの本数によっても使用感が異なるため、事前に試してから選ぶことをおすすめします。
トラッピーズ(ショック)型ウェブ
トラッピーズ(ショック)型ウェブは、T字もしくはI字の革を中心に、親指・人差し指を紐で編み込んだデザインで、内野手用、外野手用で採用されます。

トラッピーズ(ショック)型ウェブのグローブを使用しているプロ野球選手は、ホークスの近藤選手や、タイガースOBの鳥谷選手が有名です。
このタイプのウェブは、フライの打球を追う際に視認しやすく、複雑に絡まった紐が打球の衝撃を吸収してくれる事がメリットです。
また、グローブとウェブが多くの革紐で繋がっているため、ポケットが深くなりすぎるのを防ぎます。
その反面、革紐が複雑に絡み合っているため、紐が切れてしまった時のメンテナンスが大変さがデメリットでしょう。
トラッピーズ(ショック)型ウェブでは、より革紐が密集しているタイプもあります。
革紐を密集させることで若干重量が増えますが、その分耐久性が向上します。

革紐が密集しているタイプのトラッピーズ(ショック)型ウェブは、投手や内野手で使用される傾向にあります。
革紐の本数の違いはウェブの柔軟性にも影響を与えますので、好みのタイプを選びましょう。
バスケット型ウェブ
バスケット型ウェブは、1ピースウェブの派生型と言えるでしょう。
細かい革をバスケットのよう編み込んだデザインで、投手用や内野手用で採用されます。

バスケット型ウェブのグローブを使用しているプロ野球選手は、ライオンズの源田選手(細かくはジョイントタイプ)や、カープOBの黒田投手、ジャイアンツOBの桑田真澄投手が有名です。
このタイプのウェブは、元々投手用のウェブとして人気があり、デザイン性が評価されていました。
近年では源田選手が採用したことにより内野手用でも人気が出ました。
編み込み構造によって柔軟性と耐久性のバランスが良く、内野の強い打球もしっかりホールドすることができます。
その反面、革面積が多いことによる重量感や、親指・人差し指としっかり固定する事から可動域に制限がかかり操作性が劣ります。
バスケット型ウェブが気になる方は、グローブの操作性がプレイに合うかどうか試してみることが重要です。
(番外編)ジョイント○○ウェブ
番外編になりますが、ウェブの上部をセパレートにしたジョイント○○ウェブ(○○は各ウェブの名称)があります。

数年前までは、久保田スラッガーでのみ取り扱われていた形状でしたが、現在では、ジョイントを採用するメーカーが増えてきました。
ウェブ上部をセパレートにすることによって、ウェブの柔らかさの向上と、球際のボールがウェブの先に引っ掛かるよう設計されています。
好みのウェブを、より柔軟かつ球際の強さを向上させたい場合は、試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
野球グローブのウェブの特徴が伝わりましたでしょうか。
ここまで解説した内容をまとめると、
ウェブは単なる補助部品ではなく、野球グローブ全体のパフォーマンスに大きな影響を与える重要なパーツです。
選ぶ際は、自分のポジションやプレイスタイルに合ったウェブの形状を選ぶのがポイントです。
自分のプレイスタイルにあったウェブを選択し、より守備のパフォーマンスを向上させましょう!