野球グローブには、軟式用グローブと硬式用グローブの区分がありますよね。
同じモデルのグローブでも、硬式用か軟式用かの違いで、数万円の差があって驚くこともよくあります。
そこで当記事では、軟式用グローブと硬式用グローブの違いを詳しく解説していきます。
軟式用グローブと硬式用グローブには明確な違いがあります。グローブの特性を理解し、最適なグローブを見つけましょう。
硬式野球と軟式野球では、使用するボールが異なります。
そのため、それぞれに適応するため、「硬式用は耐久性が高いグローブ」「軟式用は柔軟性とコストパフォーマンスを重視したグローブ」へと進化していきました。
軟式用グローブと硬式用グローブの違い

まずは、軟式用グローブと硬式用グローブの違いについて解説します。
硬式用グローブと軟式用グローブの区分は、使用されるボールの種類や競技レベルに応じて設計されています。
ぱっと見は同じように見えますが、以下のような違いがあります。
ざっくり言うと、「硬式用は耐久性が高いグローブ」で、「軟式用は柔軟性とコストパフォーマンスを重視したグローブ」といったところでしょう。
では、それぞれの違いを詳しく解説していきます。
軟式用と硬式用の違い①:【革の違い】
硬式用グローブと軟式用グローブの違い1つ目は、革の違いです。
野球グローブの大半を占めているパーツが「革」です。
そのため、「革」がグローブの価値を決めると言っても過言ではありません。
(※「価値」とは、良い悪いではなく、そのものの「適所は何か」といったイメージです。)
では、硬式用グローブと軟式用グローブでは、どのように革が違うのかをまとめてみました。
- 硬式用グローブ
- 耐久性を高めるため、全体的に質の良い革を使用している。
- 「質の良い革」= 繊維が細かく張りのある革。
- やや厚みを持たせている。
- 革の張りが良くやや厚みがあるため、硬いグローブに仕上がる。
- 軟式用グローブ
- 捕球面には耐久性のある質の良い革を使用するが、プレーに影響が少ない背面などは若干質が劣る。
- 硬式用とは異なり耐久性はそこまで必要ないため、革を薄めて軽量化している。
- 軟式特融のボールの反発を抑えるために、グローブを握りこめるようにやや柔らかく仕上げている。
硬式用グローブは硬いボールを使用するため耐久性に重点を置いたおり、
軟式用は耐久性を落とす代わりに軽量化や低価格化を実現していると言えます。
なお、一般論として上記のようにまとめましたが、昨今では軟式用でも硬式用と同じ革を使用しているメーカーも増えてきました。
特に、新興メーカーは大手にはできない革へのこだわりがあるので、硬式用・軟式用問わず、どんな革を使用しているか気にしてみてください!
軟式用と硬式用の違い②:芯材の違い
硬式用グローブと軟式用グローブの違い2つ目は、芯材の違いです。
では、硬式用グローブと軟式用グローブでは、どのように芯材が違うのかをまとめてみました。
- 硬式用グローブ
- 捕球時の衝撃が大きい硬式ボールを受け止めるため、芯材や補強部分が頑丈に作られている。
- 丈夫な素材を使うため、軟式グローブより重い傾向。
- 指先まで硬い芯材が入っており、グローブの先でも打球に負けにくい設計になっている。
- 軟式用グローブ
- 軟式ボールの反発を吸収するため、芯材が柔らかい傾向にある。
- 軽量化されており、初心者や子どもでも扱いやすい。
- 人差し指から薬指の芯材が柔らかいかく、硬式用に比べてへたりやすい。
芯材も革と同じく、硬式用グローブは硬いボールを使用するため耐久性に重点を置いたおり、
軟式用は耐久性を落とす代わりに軽量化や低価格化を実現していると言えます。
芯材でしようする素材は、標準以上のグローブには、羊毛で出来たフェルト(ニードル)を使用していますが、
安いグローブは、糸くずを圧縮して固めたパットンなどを使用することでコストカットをしているようです。
軟式用と硬式用の違い③:価格帯の違い
硬式用グローブと軟式用グローブの違い3つ目は、価格帯の違いです。
ここまでの説明で、硬式用は耐久性を高めるために質のいい素材ばかりで構成されており、軟式用はプレーに影響がない範囲でコストカットしていることが分かったかと思います。
それらを踏まえて、それぞれの価格帯を確認すると以下の通り。
- 硬式用グローブ(一般用)
- エントリーモデル:25,000円~ (参考:ザナックス スペクタス 内野手用 27,000円)
- ハイクラスモデル:50,000円~(参考:ミズノ CRAFTED EDTION 内野TM型 75,000円)
- 軟式用グローブ(一般用)
- エントリーモデル:10,000円~(参考:SSK ウインドリーム 内野手用 12,000円)
- ハイクラスモデル:25,000円~(参考:ZETT プロステイタス 内野源田モデル 35,000円)
硬式用グローブは、軟式用グローブのおよそ2倍以上の価格帯であることがわかります。
ただし、硬式用グローブは耐久性が高いので、使用できる期間で考えると一概に高いというわけではないので、
高いから硬式用はダメだという考えにはならないようにしましょう。
「軟式野球で硬式用グローブ」や「硬式野球で軟式用グローブ」を使ってもいいの?

「軟式野球で上質な硬式用グローブを使ってみたい!」や、逆の「硬式野球で使い慣れた軟式用グローブを使いたい!」と思ったことありますよね。
ずばり結論になりますが、どちらも問題ありません。
学生野球連盟や、草野球連盟にて、区分の違うグローブを使うことはルール上は禁止されていません。(明記されていない)
そもそも、「硬式用」「軟式用」といった区分はメーカー側が設けた区分であり、野球連盟が設けた区分ではないため、明記されていないということになります。
ただし、ルール上に使用の制限がありませんが、硬式用グローブと軟式用グローブでは違いがいくつもありますので、
基本的には、区分にあったグローブを使用することを推奨しますが、
どうしても区分が違うグローブを使用したい場合は、プレーにどんな影響があるのか理解したうえで使用することをおすすめします。
以下の記事でそれぞれ解説していますので、まだ理解していない方は読んでおきましょう!
まとめ
”硬式用グローブ”と”軟式用グローブ”の違いが理解できましたでしょうか。
ここまで解説した内容をまとめると、
硬式ボールと軟式ボールは異なる性質があるため、それぞれに適したグローブをメーカーが研究した結果、「硬式用グローブ」「軟式用グローブ」として区分され販売されています。
ぜひ、実際のグローブを触りながら、違いを体感してみてください!