使い込んだ愛着のあるグローブ。
「最近グローブが柔らかくなり過ぎちゃったな~。」「でも、新しいグローブにするには、タイミング的にもコスト的にも難しい...。」ってことありますよね。
そこで当記事では、使い込んで柔らかくなり過ぎたグローブの硬さを復活させる方法を解説していきます!
DIYで出来る方法から、野球ショップに依頼するものまで幅広く紹介していきますので、参考にしてください。
グローブは使い込めば使い込むほど柔らかかさが増していきます。1年以上使っているグローブだと、コシが無くなっていることもありますよね。
しかし、まだ諦める必要はありません!この記事を参考にグローブの硬さを復活させましょう!
グローブは柔らかくなる理由

まずは、なぜグローブが柔らかくなるのかを簡単に解説します。
理由は、大きく分けて「革繊維のほぐれ」と「油分の浸透」の2つです。
「革繊維のほぐれ」とは、型付けやグローブを使っていく中で、ボールの衝撃や手の動きによって革内部の繊維が少しずつほどけること。
「油分の浸透」は、グラブオイルや汗の油分が革に浸透することを指します。
どちらも野球選手であれば必ず行うことなので、グローブは使い込むほど柔らかくなるのは、ごく自然なことだと言えます。
グローブのコシを復活させる方法を7つ紹介!
それでは、本題の柔らかくなり過ぎてしまったグローブを硬くする方法を紹介していきます。
当記事でおすすめするグローブの硬さ復活方法は以下の通り。
- 【おすすめ度★★★★★】革紐を締め直す
- 【おすすめ度★★★】革紐の全交換
- 【おすすめ度★★★】グリスの補充
- 【おすすめ度★★☆】ローリングスのレザーパワーチャージを塗布する
- 【おすすめ度★★☆】冷蔵庫・冷凍庫で冷やす(夏限定・一時的)
- 【おすすめ度★☆☆】水揉みで型直しをする
- 【おすすめ度☆☆☆】レザー用の硬化剤を塗布する
おすすめの理由も合わせて、以降で詳しく解説していきますね。
【おすすめ度★★★★★】革紐を締め直す
まず最初に必ず試してほしいのは、「革紐の締め直し」です。
実は、既に通っている革紐を締め直すだけで、硬さがある程度復活するんです。
気づかないうちに、捕球時の衝撃(振動)やオイルの浸透によって、意外と革紐が緩んでいる場合が多くあります。
革紐が緩んでいると、グローブを保型する力が下がってしまい、柔らかさへと繋がります。
締め直す紐によって硬くなる箇所が変わりますが、深い知識と試行錯誤が必要になるので、基本的に全てを締め直せばOKです。
なお、傷んでいる革紐の場合は、強い力で引くと切れてしまうリスクがあるので、状態を確認しながら革紐を締めていきましょう。
【おすすめ度★★★】革紐の全交換
既存の革紐を締め直しても、求めている硬さにならなかった場合は、革紐の全交換がおすすめです。
革紐は、グローブ全体の形をキープする役割を担っているため、全てを新品に替えることで硬さが復活します。
革紐を全交換する場合は、一般用のグローブで約542cmの長さが必要になります。(グローブ道調べ)
なお、革紐の交換はDIYでも出来ます。詳しくは別記事(【DIYでできる!】革紐(グラブレース)の交換方法から必要な長さを徹底解説!)を参考にしてみてください。

【おすすめ度★★★】グリスの補充
革紐の全交換と合わせておすすめなのが、グリスの補充です。
グリスとは、グローブの捕球面の内側に塗られている粘り気の強い硬めの油です。

グリスの主な役割は、表革(捕球面)と裏革(内袋)の接着ですが、グリス自体にもある程度の硬さがあるため、捕球面の硬さに影響があります。
グローブを横向きに置いたときに捕球面がペチャンコに潰れる場合は、グリスが枯渇している可能性が高いので、グリスの補充でかなりの変化が期待できますよ。
なお、グリスの補充はDIYでも出来ますが、販売されているグリスの量を使い切るには4~5回ほど補充する必要があるので、「そんなに使い切れないよ!」という方は、野球ショップに依頼するのがおすすめです。

【おすすめ度★★☆】ローリングスのレザーパワーチャージを塗布する
野球メーカーから販売されているメンテナンス用品の中で、グローブの硬化に使えそうな商品は、ローリングスのレザーパワーチャージのみ。(2025年7月時点)

さすが、ローリングスはメンテナンス用品の王様といっても過言ではないなといった印象です。
このレザーパワーチャージの原理は、柿渋エキスに含まれるタンニンによって、革が引き締められ(収れん作用)、強度が増すという仕組みのようです。
なお、おすすめ度が星2つの理由は、1度で劇的に硬くはならないという点から、星を1つ減らしました。
逆に捉えるならば、少しずつ捕球面の硬さを戻せるので、慎重派な人とは相性が良いかもしれませんね。

【おすすめ度★★☆】冷蔵庫・冷凍庫で冷やす(夏限定・一時的)
続いて、夏限定かつ一時的ですが、グローブを冷蔵庫または冷凍庫で冷やすことで、グローブの硬さが復活します。
ジャイアンツの坂本勇人選手が試合中に取り入れていることで有名ですよね。
革とグリスは熱によって柔らかくなるため、夏の気温では通常以上に柔らかくなってしまいます。その逆の原理で、グローブを意図的に冷やすことによって、硬さを戻すことが出来ます。
ただし、時間が経てばグローブの温度も上がってしまい、柔らかい状態に戻ってしまうので、夏限定かつ一時的な対処法として覚えておきましょう。
詳しくは、別記事(【何のため?】坂本勇人選手も実践している冷蔵庫・冷凍庫でグローブを冷やす理由を解説)にて解説していますので、そちらをご確認ください。
【おすすめ度★☆☆】水揉みで型直しをする
柔らかくなり過ぎたグローブは型が崩れている場合があります。そのため、型を直すだけでも硬さがの印象が変わります。
そして、型直し方法の中で、私がおすすめしているのが水揉み。
専門用語になりますが、革には「可塑性」という特性(水に濡らした状態で、力を加えて形を変えることで、力を取りさってもそのままの形でいること)があるので、それを利用します。
私は中古のグローブを購入した際に、グリスを少量補充してから水揉み型直しを行うことで、グローブの硬さを復活させています。
ただし、水揉み後のメンテナンスが不十分だと、水ジミができたり、過度な乾燥によって革の状態が悪化するリスクがあります。
また、再度グローブが使用できるまで数日かかるといった面で、おすすめ度は星1つとしています。
【おすすめ度☆☆☆】革用の硬化剤を塗布する
正直おすすめはできませんが、最終手段として革用の硬化剤を紹介します。
なお、グローブ用の硬化剤は現在販売されていません。(過去にはZETTやホワイトベアーから販売されていたような...)
話しを戻しまして、硬化剤の原理は、硬化剤に含まれる樹脂成分やアマニ油が革に染み込み、それらの成分が乾くことで硬化するというものです。
本来はレザークラフトなどで型を付ける(端を曲げたり、角を折ったりなど)際に使用されます。
革用の硬化剤は、塗った箇所の頻繁な動作を想定していないため、捕球面との相性は最悪、使用するならば背面に塗って硬化させます。
なお、硬化剤を使用すると想像以上にパリパリになりますので、自己責任でお願いします。
大事なことなのでもう一度言っておきますが、グローブに硬化剤はおすすめしません。
柔らかくなったグローブのデメリット
もしグローブが「柔らかくなり過ぎたな」と感じたら、早めに対策することをおすすめします。
なぜなら、柔らかすぎる(コシが無い)グローブを使用していると、以下のデメリットがあるからです。
- ボールを捕球した時に、手が痛い。
- 柔らかくなり過ぎたグローブは、革のハリが失われていたり、グリスが枯渇している可能性が高い。
痛みを恐れて正しくない捕球位置でキャッチすると、グローブの劣化や捕球ミスにつながる。
→ハリを復活させるレザーパワーチャージや、グリスの補充が効果的。
- 柔らかくなり過ぎたグローブは、革のハリが失われていたり、グリスが枯渇している可能性が高い。
- 球際のプレーで指先がボールに負けてしまう。
- グローブの指先で捕球するためには、ある程度の硬さ(コシ)が必要。
野球のステージが上がると、より強い送球・打球が増えるため、指先がボールの勢いに負けてミスにつながる。
→革紐の締め直しや交換が効果的。
- グローブの指先で捕球するためには、ある程度の硬さ(コシ)が必要。
- 型が崩れやすい。
- 悪い型になったグローブでは、捕球ミスをしやすい。
→全紐交換・グリス補充・水揉み型直しが効果的。
- 悪い型になったグローブでは、捕球ミスをしやすい。
いずれも捕球ミスにつながってしまうデメリットばかりです。それに対してメリットはほぼありません。
1つの捕球ミスが試合の流れを変えてしまったり、レギュラー争いに悪い影響を与えることもあります。
「あの時、グローブのメンテナンスをしておけばよかった...」と後悔しないように、グローブの柔らかさが気になったら、すぐに対処しましょう!
まとめ
あなたにぴったりな、グローブを硬くする方法は見つかりましたでしょうか?
ここまで解説した内容をまとめると、
グローブは使えば使うほど柔らかくなっていきます。適度な柔らかさは必要ですが、過度に柔らかくなってしまうとデメリットが上回ってしまいます。
1プレーを大事にするために、日頃からグローブの状態に目を向けることがポイントです!