野球もしくはソフトボールをするには、グローブが必ず必要になります。守備のプレーに直接影響を与える道具なので、グローブ選びはとても重要です。
でも、小学生用のグローブってどうやって選んだらいいかわからない方もいらっしゃるでしょう。
そこで当記事では、小学生用の野球グローブの選び方を詳しく解説します。この記事を読んで、あなた(もしくはお子さん)に最適なグローブを見つけましょう!
グローブは似ているようで似ていないのです。そんな細かな違いが、プレーで大きな影響を与えます。
しっかりグローブの特徴を理解して、自分に最適なグローブを見極めましょう。
小学生用の野球グローブを選ぶときは、見た目だけでなく、性能を比較することが重要です。
子供だからといって安易にグローブを選んでしまうと後悔しますので、じっくり確認していきましょう。
子供だからといって、適当に野球グローブを選んではいけない

野球グローブは守備の技術に直結すると言っても過言ではないほど、重要な道具です。
見た目がかっこいいからというのも、モチベーションの面では必要ですが、それだけの理由で選ぶと後悔する可能性もあります。
必ずサイズや操作性を確認して、最適なグローブを選ぶようにしましょう。
野球グローブを選ぶ時にチェックする項目

では、野球グローブを選ぶ時は、何に注意して選べば良いかを以下にまとめてみました。
- 種目:硬式用・軟式用などからグローブを選ぶ
- 利き手(右投げor左投げ):どちら側の手で投球するかを選ぶ
- サイズ:自分の手にちょうどいいサイズを選ぶ
- ウェブ:グローブの型に影響するウェブの形状からグローブを選ぶ
- メーカー:信頼の大手メーカーや、特化型の新鋭メーカーからグローブを選ぶ
- 価格:高品質になるほど高価になる。自分のレベルに合わせて予算を決める
この中でも特に重要なのは、種目・利き手・サイズになります。
小学生の期間は、野球(ソフトボール)の基礎を身に着ける期間でもありますので、誤った技術を身に着けないためにも、正しくグローブを選びましょう。
以降の記事にて、各項目をもう少し深掘りしていきます。
少年用のグローブを選ぼう

大前提として、小学生が使用するグローブは、少年用のグローブを選びましょう。
グローブの規格には、少年用と一般用があります。
そのうち、小学生を対象にしたグローブは、少年用として販売されています。
少年用のグローブは、多くのメーカーから販売されておりますので、好みのグローブを選ぶことができます。
なお、一般用は中学生以上の野球選手に向けて製造されており、小学生には大き過ぎる場合が多いため選ばないようにしましょう。
種目に合ったグローブを選ぼう

グローブには、硬式用、軟式用、ソフトボール(革ソフト・ゴムソフト)用の区分けがあります。
野球とソフトボールでは、使用するボールの大きさが異なるため、グローブの形状が異なります。
また、硬式野球と革ソフトは硬いボールを使用するため、耐久性の高い構造をしているのに対して、
軟式野球とゴムソフトは柔らかいボールを使用するため、ゴムの反発を吸収できる柔軟性の高い構造をしています。
異なる種目での使用(硬式用グローブで軟式野球をする)は禁止されていませんが、それではグローブの特性を最大限活かすことができません。
可能な限り、種目に合わせたグローブを購入しましょう。
利き手(右投げor左投げ)に合ったグローブを選ぼう

グローブには、右投げ用と左投げ用の区分けがあります。
「右投げの場合は、左手に装着する形状」、「左投の場合は、右手に装着する形状」となっています。

ここで注意しておきたいのが、必ずしも利き手の方が投げやすいとは限らないということです。
実はプロ野球選手にも、利き手と違う手で投球(送球)している選手がいます。
例えば、坂本勇人選手は本来左利きですが、右投げ右打ちの選手として活躍しています。
また、2007年の甲子園で当時の甲子園記録となる155km/hを計測し、プロ野球でも161km/hの速球を投げた由規選手も、利き手ではない右手で投げていました。
もし、これから野球を始める場合や、始めて間もない場合は、利き手にこだわらず投げやすい手を確認することをおすすめします。
サイズでグローブを選ぼう

手にちょうど良いサイズのグローブを選ぶべし!
必ず手のサイズにちょうど良いか、ほんの少しだけ余裕があるサイズを選びましょう。
小学生のうちは、まだまだ筋力が未熟なため、サイズが大きすぎるグローブを選ぶとうまく扱えません。
小学生は1年間で大きく成長するので、成長を見越して大きいサイズを買いたいところですが、守備のパフォーマンスが落ちるのであれば元も子もありません。
少年用のグローブはそこまで高価ではありません(相場は1万円前後)ので、成長に合わせて買い替える意識でいましょう。
サイズ表記はメーカーによって違う?!
実は、グローブのサイズ表記は、定まったルールがありません。
そのため、各メーカーがバラバラのサイズ表記方法を採用しています。
例えば、同じSSサイズでも、大手野球メーカーのミズノとローリングスでは大きさが異なります。
そのため、他社メーカーとグローブを比較する場合には注意が必要です。
参考に、グローブ道が調べたメーカー別のサイズ比較表を掲載しておきます。

ウェブでグローブを選ぼう

ウェブは野球グローブを構成しているパーツの中でも、大きな範囲を占めているため、ウェブ選びは重要なポイントと言えます。
ウェブとは
ウェブは、グローブの親指、人差し指、手のひらをつなぐ、革及び紐を用いたパーツを指します。

ウェブは大きく分けて、「1ピース(全面タイプ)(部分タイプ)」、「2ピース」、「H型ウェブ」、「クロス(十字)型ウェブ」、「トラッピーズ(ショック)型ウェブ」、「バスケット型ウェブ」の6種類に分類することができます。
これらをベースに、各メーカーごと独自のデザインに設計されています。
各ウェブの特徴
ウェブの形状は、グローブ本体の型や、ボールの捕球感覚、送球までの動作に影響します。
プレースタイルに合ったウェブを選ぶことで、より守備のパフォーマンスを向上させることができます。
ここでは簡単に各ウェブ形状の特徴をまとめてみました。
- 1ピースウェブ(全面):シンプルな構造。耐久性に優れていることと、ボールの握りを見せないことがメリット
- 1ピースウェブ(部分):全面タイプに比べ革の面積を減らしているため、耐久性を残しつつ若干の軽量化
- 2ピースウェブ:1ピース型と比べ若干グローブの操作性・柔軟性が向上しています。MLB投手では主流。
- H型ウェブ:軽量で操作性に優れている。ポケットが広く浅いグローブに仕上げやすい。
- クロス(十字)型ウェブ:汎用性の高さと程よいウェブ強度がメリット
- トラッピーズ(ショック)型ウェブ:打球の衝撃を吸収してくれる事がメリット
- バスケット型ウェブ:柔軟性と耐久性のバランスが良く、内野の強い打球もしっかりホールドできる
メーカーでグローブを選ぼう

現在、グローブを製造しているメーカーは数多くあります。
メーカーによってグローブの特徴があるため、判断材料の1つにしても良いでしょう。
信頼できる国内大手メーカー
昔から日本の野球を支えてきた大手老舗メーカーを選べば間違いありません。
どのメーカーのグローブにするか悩んだ時は、大手メーカーのグローブを選びましょう。
- ミズノ(MIZUNO):国内最大級のスポーツ用品ブランド。プロモデルからジュニア用まで幅広く展開。
- ZETT:野球用品全般で有名なブランド。源田選手も愛用するグローブの王道。
- SSK:プロ野球の投手に人気のブランド。コスパの良さが魅力。
- 久保田スラッガー:多くの守備の名手が愛したブランド。モデルの多さは随一。
メジャーリーガーが愛用する海外大手メーカー
多くのメジャーリーガーが使用している海外の大手メーカーも良いでしょう。
これらのメーカーは、日本のプロ野球界でも使用する選手が増えています。
- ローリングス:世界的に有名な野球用品ブランド。愛用するメジャーリーガーは多数。
- ウィルソン:独自の技術で唯一無二のブランド。近年、日本でも使用者が急増中。
勢いのあるマイナーグローブメーカー
プロ野球での使用選手は少ないものの、甲子園やSNSで見かけるようになった、新鋭のグローブメーカーもおすすめです。
マイナーなグローブメーカーは、特定の性能に特化しているメーカーが多い印象です。
自分のプレースタイルと一致するメーカーがあれば思わぬ効果を得られるかもしれません。
ただし、マイナーなグローブメーカーは製造方法などによって高価な物が多いため注意が必要です。
- 和牛JB:和牛の革を使用することで耐久性の高さが売りのブランド
- ジームス:創業から20年以上、究極のグラブを追求する人気のブランド
- タイシークラフト:初心者からプロ選手まで使い勝手の良いグラブを目指しオーソドックスな形を追求するブランド
価格でグローブを選ぼう!

ジャンル別に価格帯を紹介
野球グローブの価格帯は、仕様によって大きく異なります。
以下に一般的な価格帯を示します。
- 少年軟式用
- エントリーモデル:5,000円~(参考:ローリングス シュアキャッチ オールラウンド用 8,000円)
- ハイクラスモデル:15,000円~(参考:ミズノ グローバルエリートRG 内野坂本勇人モデル 18,000円)
- 少年硬式用
- エントリーモデル:15,000円~(参考:ハイゴールド Rookies オールラウンド用 17,000円)
- ハイクラスモデル:30,000円~(参考:アトムズ ユースシリーズ 内野手用 35,000円)
- 少年ソフトボール用
- エントリーモデル:8,000円~(参考:ミズノ セレクトナイン 松田光モデル 10,000円)
- ハイクラスモデル:15,000円~(参考:ワールドペガサス 軟式ソフトボール兼用 オールラウンド用 18,000円)
価格に影響する要素
野球グローブの価格は主に、「グローブの素材」と「製造方法」が大きく関係します。
グローブの素材はで使用される牛革ですが、部位によって「革の強度(耐久性)」や「革のハリ(繊維の細かさ)」が異なります。
そのため、強度とハリが良い革を多く使っているグローブは価格が高くなります。
とても安いグローブの場合は、牛革ではなく、豚革や合成皮革で出来ている可能性もありますので注意が必要です。
また製造方法につきましては、職人の手作業で作成されているグローブが高くなります。
具体的には、大手メーカーのプロ野球選手基準グローブや、中小企業が製造するグローブが該当します。(一部例外はあります。)
「高価なグローブ = 最高のグローブ」ではない!
しかしながら、価格の高さ=最高のグローブではありません。
品質が良くても、プレースタイルに合っていないグローブでは逆効果になります。
そのため、価格だけでグローブを決めるのは避けましょう。
(番外編)ポジションに合ったグローブを選ぼう

ポジションごとに求められる性能や形状が異なるため、適切なグローブを選ぶことが重要です。
しかしながら、小学生の場合は試合ごとによって、ポジションが変わることが当たり前の用にあります。
そのため、「投手用」「内野手用」「外野手用」にこだわらず、サイズや操作性を優先して選ぶことをおすすめします。
参考程度に、ポジション毎のグローブの特徴を以下にまとめました。
- ピッチャー用
- バッターにクセが見えないよう、形状に工夫がされています。
- タテ型とヨコ型があり、投球スタイルに合わせて選びます。
- キャッチャーミット
- 捕球音を響かせる厚手の革で作られ、ボールを確実に受け止める深いポケットが特徴。
- ミットの形状が独特で、硬さもあるためしっかり慣らす必要がある。
- ファーストミット
- 長さと広い面積を持ち、送球を捕球しやすい設計。
- 通常のグローブと異なる形状で、捕球エリアが広い。
- 内野手用
- コンパクトで操作性が良い。
- サード用は若干大きめで、ショートやセカンドはより小さく軽量なモデルが多い。
- 外野手用
- ボールを確実にキャッチするために、ポケットが深くてサイズが大きめ。
- オールラウンド用
- 内野手用と外野手用の間のサイズ
- ピッチャー・セカンド・ショート・サード・外野のどこでも平均的に扱える。
ポジションが定まっていない子はオールラウンド用がおすすめ
ポジションが定まっていない子、特に小学1~5年生においては、オールラウンド用のグローブもおすすめです。
チーム内で技術が高く、主要なポジション(ピッチャー、キャッチャー、ショート、センター)に固定されることが多い6年生に比べ、
1~5年生は、コンディションによって、様々なポジションを守る機会が多いです。
どのポジションも万能に扱えるオールラウンド用は、そんな1~5年生にはメリットの大きいグローブだといえます。
必ず購入する前に実物を手に取ろう

想像していた感覚と一致するか確認しよう
購入したいグローブが絞れてきたら、実物を手に取って感覚を確かめることをおすすめします。
野球ショップの展示品や、同じモデルのグローブを持っている友人に触らせてもらいましょう。
※野球ショップのグローブを触る時は、事前にお店の方に触る許可をもらいましょう。
実際に手にはめてみると、サイズが合わないなど、イメージと違う可能性があります。
その時は、何がイメージと違うのかを分析して、修正案を探しましょう。
例えば、「サイズが大きかった場合は、同メーカーの1サイズ小さいグローブに変更する」や、「グローブが重たかった場合は、軽量を売りにしている新鋭メーカーの同サイズグローブに変更する」というように、対応しましょう。
これを繰り返すことで、一番イメージに近いグローブにたどり着けます。
同じグローブでも感覚が違う?!
実は、同じメーカーの同じモデルのグローブでも、個体によって若干感覚が異なります。
それは、グローブの素材である牛革そのものに個体差がある場合や、職人が手作りする際の微細なズレなどが要因です。
グローブに強いこだわりのある選手にしかわからない違いかもしれませんが、確認しておいて損はないでしょう。
(次のステップ)グローブを買ったら型をつけよう!

ここまでの記事を読んで、自分に最適なグローブを購入できた方、ひとまず、おめでとうございます。
しかし、ここで気を抜いてはいけません。
なぜなら、グローブは購入がゴールではなく、育てていく必要があるからです。
グローブは食材です。そのグローブを型付け、捕球、メンテナンスといった調理工程を経て、試合で活躍できるグローブ「食材」となります。
その第一歩として、型付けを行いましょう。
グローブの型には、「スタンダード型」や「ボックス型」など、いくつか種類があります。
購入したグローブと自分のプレースタイルを総合的に判断して、理想的な型をつけましょう。
まとめ:しっかり考えて、それでも迷ったらオールラウンド用を選ぼう
小学生用の野球グローブの選び方がわかりましたでしょうか。
ここまで解説した内容をまとめると、
これから野球を続けていくにあたって、小学生の期間はとても有意義だと思います。
野球技術の基礎を身に着ける期間として、野球に集中するためには、正しい道具を選ぶことも大事なポイントです。
誤った道具を選んでしまったことで、思うようなプレーが出来ず、野球を嫌いになってほしくないので、
ぜひ、この記事を何度も読み返して、理想のグローブ選びの参考にしてください。
また、野球グローブの事で質問などありましたら、気軽にコメントしてくださいね。