こんなお悩みを解決できます!
- 野球のグローブって何でできているんだろう?
- ステアハイドとキップレザーってよく聞くけど、何が違うの?
- 牛革以外のグローブってあるの?
野球グローブは何の素材で出来ているか知っています?
「グローブは牛革でしょ!」と思っているあなた。牛革は牛革でも、もっと細分化することが出来るんですよ!
また、近年では牛革以外の素材を使用したグローブも登場しています。
そこで当記事では、グローブに使用される素材を種類ごとに分けて徹底解説します。
野球グローブは見た目や形だけでなく、素材にもこだわって選べるようになりましょう!
野球グローブに使用される革には、素材の種類や加工方法によって特徴が異なります。それぞれの革には長所と短所があり、プレイヤーの好みや用途によって選ばれます。
グローブに使用される【牛革】の種類を紹介

まずはグローブによく使われる牛革について、詳しく解説していきます。
ひとことに「牛革(レザー )」と言っても、実は性別や年齢によって細かく分けられることをご存知ですか?
その中でも、グローブの素材に使用される牛革は以下の5種類があります。
グローブに使用される牛革 一覧
- ステアハイド(ステアレザー)
- 生後2年以上の雄の牛から採れる革
- 強度と耐久性が非常に高い。
- 最もグローブに使用されている革材
- キップレザー
- 生後6か月から2年未満の若い牛から採れる革
- 軽量で柔らかい。
- 和牛レザー
- 日本国内で飼育・消費された牛から採れる革
- 繊維が強いため、薄く硬い。
- キャッチャーミットでよく使用されている革材
- カウハイド
- 出産経験があり、生後2年程度経過している雌牛から採れる革
- 非常に柔らかく、扱いやすい。
- ヌバック
- 牛の革にサンドペーパーなどのやすりをかけて毛羽立たせる「起毛加工」を施した加工皮革
- 耐久度や重さは、使用する牛革と同じ
一度は聞いたことのある革材ばかりだったのではないでしょうか。
では、これらの革材を詳しく見ていきましょう。
ステアハイド(ステアレザー)
まずはステアハイド(別名:ステアレザー)の特徴を紹介します。
ステアハイドには以下のような特徴があります。
ステアハイドの特徴
- 素材: 生後2年以上の雄の牛から採れる革
- 特徴:
- グローブに使われる革の中で、最も定番な革
- 強度と耐久性が非常に高い。
- 厚みがあり、ハリのある手触り。
- しっかりとした革質のため、慣らしに時間がかかる。
- 用途: 中間から上位グレードのグローブに使用
- 使用メーカー(代表例):全メーカー
ステアハイドは革のハリも良く耐久性があるため、プロアマ問わず最もグローブに使用される定番の革材です。
キップレザー
続いて、キップレザーの特徴を紹介します。
キップレザーには以下のような特徴があります。
キップレザーの特徴
- 素材: 生後6か月から2年未満の若い牛から採れる革
- 特徴:
- ステアハイドよりも軽量で、柔らかい。
- 耐久性はステアハイドに劣るが、高品質で扱いやすい。
- 手に馴染みやすく、慣らしが比較的容易。
- 子牛の革は生産量が少ないため、価格がやや高め。
- 用途: 上級者向けのグローブに使用
- 使用メーカー(代表例):IpSelectなど
キップレザーは耐久性がやや劣りますが、柔らかく手に馴染みやすいのが特徴です。
若い牛であることから成牛よりも革の面積が小さいため、キップ製のグローブは高価格になってしまいます。
和牛レザー
続いて、和牛レザーの特徴を紹介します。
和牛レザーには以下のような特徴があります。
和牛レザーの特徴
- 素材: 日本国内で飼育・消費された牛から採れる革
- 特徴:
- 運動量が豊富で繊維が強いため、薄く硬い。
- 耐久性は最も高い。
- 耐久性を活かして、キャッチャーミットで使用されることが多い。
- 近年では、薄さによる軽量化に着目して、投手・野手グローブでも一部採用されはじめている。
- 用途: 主にキャッチャーミットや、軽量モデルのグローブに使用
- 使用メーカー(代表例):和牛JBなど
和牛レザーは”ステアハイド””キップレザー”と合わせて、グローブで多く使用されている3大レザーの1つです。
主に高い耐久性が求められるキャッチャーミットで使用されてきた革材ですが、
軽量性と耐久性の観点から、近年では投手・野手グローブでも使用され始めています。
カウハイド
続いて、カウハイドの特徴を紹介します。
カウハイドには以下のような特徴があります。
カウハイドの特徴
- 素材: 出産経験があり、生後2年程度経過している雌牛から採れる革。
- 特徴:
- ステアハイドよりも柔らかく、扱いやすい。
- 中程度の耐久性。
- 価格が比較的手頃。
- 昨今では、カウハイドでできたグローブはほとんど見ない。
- 用途: 廉価グローブに使用
- 使用メーカー(代表例):ローリングス、アディダスなど
カウハイドは牛革の代名詞的存在で、バッグやレザージャケットで使用されています。
過去にもグローブで使用されていましたが、耐久性が劣る点と合成皮革の台頭によってあまり使用されなくなりました。
現在では、海外メーカーの廉価グレードや少年用グローブに一部使用されているようです。
ヌバック
続いて、ヌバックの特徴を紹介します。
ヌバックには以下のような特徴があります。
ヌバックの特徴
- 素材: 牛の革にサンドペーパーなどのやすりをかけて毛羽立たせる「起毛加工」を施した加工皮革。
- 特徴:
- なんと言っても、見た目がかっこいい。
- 耐久度や重さは、通常の牛革と同じ
- 泥などが染みやすいため、頻繁なブラッシングやメンテナンスが必要
- ヌバックはカタログにも載ってなく、限定販売の場合が多い。
- 用途: 高価格帯グローブに使用
- 使用メーカー(代表例):SSK、アシックスなど
ヌバックは各メーカーから稀に販売されるプレミアな革材です。
大谷選手がエンゼルス時代に使用していたことでも有名ですね。
ヌバックは泥などが染み込みやすいためメンテナンスが大変ですが、所有している人も少ないため、見つけたら購入した即購入したいグローブです!
グローブに使用される【牛革以外】の素材(メーカー限定も含む)

続いて、グローブで使われる「牛革以外」の素材を紹介します。
実は、牛革以外の素材で作られたグローブもいくつか存在しており、「価格の安さ」や「耐久性の高さ」などのメリットを発揮しています。
その中でも、グローブの素材に使用される代表例が以下の4種類です。
グローブに使用される牛革 一覧
- ピッグスキン
- 豚から採れる革
- 非常に軽量で柔らかいため、キッズ向けグローブに使用される。
- 合成皮革
- 人工的に作られた合成素材
- 耐久性は低いが、非常に安価な素材。
- メッシュ素材
- ポリエステルやナイロンなどの合成繊維を網目状になるよう編まれた生地
- とても軽量で見た目のアクセントにも良い。
- 高校野球では使用NG
- スーパースキン(バスケットボール素材)
- バスケットボールと同素材
- 重さは牛革の1/2でありながら、強度は2倍。
- 撥水効果があり、雨などの水にも強い
- 高校野球では使用NG
では、これらの素材を詳しく見ていきましょう。
ピッグスキン
まずは、ピッグスキンの特徴を紹介します。
ピッグスキンには以下のような特徴があります。
ピッグスキンの特徴
- 素材: 豚から採れる革
- 特徴:
- 非常に軽量で柔らかい。
- 水分や汗に強い。
- 耐久性は牛革と比べるとかなり劣る。
- 用途: キッズ向けグローブに使用
- 使用メーカー(代表例):ミズノ、SSKなど
ピッグスキンは軽量で柔らかいことから、キッズ(小学校低学年)向けのグローブに使用されます。
長期間の使用は向いていませんが、野球を始めたばかりの子供におすすめの素材です。
合成皮革
続いて、合成皮革の特徴を紹介します。
合成皮革には以下のような特徴があります。
合成皮革の特徴
- 素材: 人工的に作られた合成素材
- 特徴:
- 本革よりも軽量で安価。
- 水分や汚れに強い。
- 本革に比べて手触りや耐久性に劣るが、メンテナンスが簡単。
- 用途: キャッチボール用グローブに使用
- 使用メーカー(代表例):FALCONなど
合成皮革は最も安価な素材でメンテナンスが簡単なのが特徴です。
ただし、本革と比べると手触りが異なり、耐久性も劣ることから本格的なプレーには向いていません。
家族や友人とのキャッチボール程度の使用をおすすめします。
メッシュ素材
続いて、メッシュ素材の特徴を紹介します。
メッシュ素材には以下のような特徴があります。
メッシュ素材の特徴
- 素材: ポリエステルやナイロンなどの合成繊維を網目状になるよう編まれた生地
- 特徴:
- メリットは、軽さとかっこよさ
- 土や泥がメッシュの隙間に入りやすいため、メンテナンスが大変
- 高校野球では使用NG
- 比較的グローブが汚れない投手用や、グローブが重くなりがちな外野手用に採用するのがおすすめ
- 用途: 軽量化やデザイン重視のグローブに使用
- 使用メーカー(代表例):ミズノ・SSKなど
メッシュ素材は革材と比較して、圧倒的な軽さを実現しています。
ミズノやSSKでオーダー対応していますので、興味がある方はオーダーしてみましょう!
スーパースキン(バスケットボール素材)
続いて、スーパースキン(バスケットボール素材)の特徴を紹介します。
スーパースキンには以下のような特徴があります。
スーパースキンの特徴
- 素材: バスケットボールと同素材
- 特徴:
- 強度は牛革の2倍と高耐久
- 重さは牛革の1/2まで軽量化
- 撥水効果があり、雨などの水にも強い
- 高校野球では使用NG
- 用途: 軽量化重視のグローブ
- 使用メーカー(代表例):ウィルソン限定
スーパースキンはバスケットボールと同じ素材を、グローブ用にアレンジした素材です。
海外スポーツメーカーのウィルソンが、バスケ市場で得たノウハウを野球グローブに取り入れて生まれました。
学生野球では使用できませんが、草野球を中心に人気が出てきています。
グローブ素材の選び方

ここまで多くのグローブに使われる素材を紹介してきましたが、「結局どの素材がいいの?」と迷ってしまいますよね。
ということで、グローブ道としての考えを以下にまとめましたので、参考にしてください。
グローブの素材選びのポイント
- 革の特徴はあくまで参考程度に
- ここまで説明した素材の特徴は、参考程度と認識しておきましょう。
- 使用する革の部位や、縫製の仕方によっても仕上がりが変わる。
- グローブごとにも感触が変わるため、実際に試着して確かめることが重要。
- 基本は「ステアハイド」「キップレザー」「和牛レザー」
- 本格的に野球をする方は、「ステアハイド」「キップレザー」「和牛レザー」から選びましょう。
- 強い送球をキャッチしたり、打球を掴むことで、想像以上にグローブは衝撃を受けます。
そのため、耐久性の観点から牛革がおすすめです。 - 特殊素材は野球連盟によって使用NGの場合があるが、牛革は全連盟で使用可能。
- プレースタイルから選ぶ
- 野球歴が長い選手は、自分のポジションやプレースタイルが定まっているでしょう。
その場合は、より理想に近いグローブを求めて、軽い和牛や、耐久性の高いスーパースキンなど、こだわってみましょう。
- 草野球プレーヤーはデザインも楽しもう!
- 草野球は使用するグローブの制限が少ないため、複数の素材を使うなどデザイン性を意識するのも良し。
- ヌバックやメッシュ素材は、使用する選手も少なく特別感を得られます。
なお、革材だけでグローブを選ぶことはNGです。
グローブは大きさや型など、複合的に選ぶ必要があります。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、グローブの選び方を知りたい方は読んでみてください!
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どの素材もメンテナンスが必要!

どの素材も、長く使用するためには適切なメンテナンスが必要です。
以下のポイントに注意して、グローブを良い状態に保ちましょう。
グローブメンテナンスのポイント
- 使用後はブラシで泥や砂を落とし、湿気もなるべく取り除きましょう。
- 長期保存時は直射日光や高温多湿を避ける。
- 定期的にオイルを塗り、革に栄養を与えると長持ちします。
- ヌバックやメッシュ素材は専用のメンテナンスグッズを使う。
使用後のブラッシングだけでも、グローブの寿命は延びますので、忘れずにおこないましょう!
より詳しいグローブのメンテナンス方法が知りたい方は、こちらの記事を読んでくださいね。
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まとめ
野球グローブに使用されている素材はなにがあるかわかりましたでしょうか。
ここまで解説した内容をまとめると、
グローブで使用される素材のポイント
- グローブの特徴に合わせて、様々な素材から選んで作られている
- 基本はステアハイドかキップレザーが間違いない
- 同じ革でも、厚みや色によって感触が変わる
革選びは、守備で一番大事な捕球感覚に影響を及ぼします。それだけ革選びは重要なポイントだと私は思います。
プロ野球界でも革にこだわる名手が多くいます。(私の印象では、ハリの強いステアハイドを好む傾向にありそうです)
革の知見を増やして、最高の相棒(グローブ)を見つけましょう!
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