野球グローブは何の素材で出来ているか知っています?牛革で出来ていることは有名ですが、実は牛革には種類があるんです!
当記事では、グローブに使用される素材を種類ごとに分けて解説します。この記事を読めば、自分に合ったグローブの素材を見極めることができます!
野球グローブは見た目や形だけでなく、素材にもこだわって選べるようになりましょう!
野球グローブに使用される革には、素材の種類や加工方法によって特徴が異なります。それぞれの革には長所と短所があり、プレイヤーの好みや用途によって選ばれます。
別記事でグローブの製造工程を解説していますので、こちらも読んでください!
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定番の革材

早速ですが、まずはグローブによく使われる定番の革を3種類(ステア・キップ・和牛)ご紹介します。
この3種類を理解しておけば、ほとんどの既製品グローブの特性を理解することができます。
ステアハイド
- 素材: 生後2年以上の雄の牛から採れる革
- 特徴:
- グローブに使われる革の中で、最も定番な革
- 強度と耐久性が非常に高い。
- 厚みがあり、ハリのある手触り。
- しっかりとした革質のため、慣らしに時間がかかる。
- 用途: 各メーカーの上位グレードのグローブ。
キップレザー
- 素材: 生後6か月から2年未満の若い牛から採れる革
- 特徴:
- ステアハイドよりも軽量で、柔らかい。
- 耐久性はステアハイドに劣るが、高品質で扱いやすい。
- 手に馴染みやすく、慣らしが比較的容易。
- 子牛の革は生産量が少ないため、価格がやや高め。
- 用途: 上級者向けのグローブ。
和牛レザー
- 素材: 日本国内で飼育・消費された牛から採れる革
- 特徴:
- 運動量が豊富で繊維が強いため、薄く硬い。
- 耐久性は最も高い。
- 耐久性を活かして、キャッチャーミットで使用されることが多い。
- 近年では、薄さによる軽量化に着目して、投手・野手グローブでも一部採用されはじめている。
- 用途: キャッチャーミット、軽量モデルのグローブ
マイナーな革材

続いて、マイナーではありますが、グローブに使用されることのある革を5種類(ヌバック・カウ・ピッグ・合成革・スーパースキン)紹介します。
ヌバック
- 素材: 牛の革にサンドペーパーなどのやすりをかけて毛羽立たせる「起毛加工」を施した加工皮革。
- 特徴:
- なんと言っても、見た目がかっこいい。プレミア感
- 耐久度や重さは、通常の牛革と同じ
- 泥などが染みやすいため、頻繁なブラッシングやメンテナンスが必要
- 用途: 高価格帯グローブ
カウハイド
- 素材: 出産経験があり、生後2年程度経過している雌牛から採れる革。
- 特徴:
- ステアハイドよりも柔らかく、扱いやすい。
- 中程度の耐久性。
- 価格が比較的手頃。
- 昨今では、カウハイドでできたグローブは、ほとんど見ない。
- 用途: 廉価グローブ
ピッグスキン
- 素材: 豚から採れる革
- 特徴:
- 非常に軽量で柔らかい。
- 水分や汗に強い。
- 耐久性は他の牛革と比べると劣る。
- 用途: 初心者向けグローブ
合成皮革
- 素材: 人工的に作られた合成素材
- 特徴:
- 本革よりも軽量で安価。
- 水分や汚れに強い。
- 本革に比べて手触りや耐久性に劣るが、メンテナンスが簡単。
- 用途: 子供用、キャッチボール用
(番外編)メーカー限定の素材

番外編になりますが、革以外の素材がグローブに使われることがあります。
その中でも代表的な、メッシュ素材とスーパースキンをご紹介します。
メッシュ(ミズノ・SSK)
- 素材: メッシュ素材
- 特徴:
- ミズノとSSKでオーダーできる素材で、主に背面に使用されます
- メリットは、軽さとかっこよさ
- 土や泥がメッシュの隙間に入りやすいため、メンテナンスが大変
- 比較的グローブが汚れない投手用に採用するのがおすすめ
- 用途: デザイン重視のグローブ
スーパースキン(ウィルソン)
- 素材: バスケットボールと同素材
- 特徴:
- ウィルソン限定の素材で、主に背面に使用されます
- 強度は牛革の2倍と高耐久
- 重さは牛革の1/2まで軽量化
- 撥水効果があり、雨などの水にも強い
- 用途: 軽量化重視のグローブ
グローブ素材の選び方

ここまで多くのグローブに使われる素材を紹介してきました。
では、どの素材のグローブを選べばいいのでしょう?
ということで、グローブ道としての考えを以下にまとめましたので、参考にしてください。
- 基本はステアハイドかキップレザー
- 定期的に野球をする方は、牛革を選びましょう。
強い送球をキャッチしたり、打球を掴むことで、想像以上にグローブは衝撃を受けます。そのため耐久性を踏まえて牛革を選びましょう。
- 定期的に野球をする方は、牛革を選びましょう。
- プレイスタイル:
- 野球歴が長い選手は、自分のポジションやプレースタイルが定まっているでしょう。
その場合は、より理想に近いグローブを求めて、軽い和牛や、耐久性の高いスーパースキンなど、こだわってみましょう。
- 野球歴が長い選手は、自分のポジションやプレースタイルが定まっているでしょう。
- キャッチボール程度なら、価格重視でもOK
- 親子や友達(野球未経験者同士)でのキャッチボールであれば、価格の安い合成皮革などを選んでも良いでしょう。耐久性はあまりないので、キャッチボール中の破れなどに注意してください。
- 予算に余裕がある人は、ヌバックやメッシュもおすすめ
- ヌバックやメッシュ素材は、使用する選手も少なく特別感を得られます。これを使えば注目を集めること間違いなしです。
価格はやや高い傾向にありますので、予算に余裕がある場合は、検討してみても良いかもしれません。
- ヌバックやメッシュ素材は、使用する選手も少なく特別感を得られます。これを使えば注目を集めること間違いなしです。
- 必ず手にはめて確かめる
- 同じ種類の革でも、厚みや染料(色)によって感触が変わります。
そのため、必ず購入前に手にはめて確かめることが大事です。
- 同じ種類の革でも、厚みや染料(色)によって感触が変わります。
メンテナンス

どの革も適切なメンテナンスが必要です。
- 使用後はブラシで泥や砂を落とし、湿気もなるべく取り除きましょう。
- 長期保存時は直射日光や高温多湿を避ける。
- 定期的にオイルを塗り、革に栄養を与えると長持ちします。
- ヌバックやメッシュ素材は専用のメンテナンスグッズを使うことをおすすめします。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
※ここまで紹介した内容は、あくまで一般論ですので、グローブを購入される際には必ず実物をはめてから購入しましょう。
ここまで解説した内容をまとめると、
革選びは、守備で一番大事な捕球感覚に影響を及ぼします。それだけ革選びは重要なポイントだと私は思います。
プロ野球界でも革にこだわる名手が多くいます。(私の印象では、ハリの強いステアハイドを好む傾向にありそうです)
革の知見を増やして、最高の相棒(グローブ)を見つけましょう!