オーダーグローブは、自分好みの一品を作れる反面、「決めることが多すぎて迷う」や、「違いがわからない」という声も非常に多いです。
実際にショップやシミュレーションサイトでオーダーを進めると、ウェブやバックスタイル、配色、刺繍など、次々と選択を求められます。
本記事では、グローブをオーダーする際に事前に確認しておきたいポイントを網羅的に整理しました。
すべてを完璧に決める必要はありませんが、「何が選択肢として存在するのか」を把握しておくことで、後悔のないオーダーにつながります。
初めてオーダーする方はもちろん、2回目・3回目の方にとっても確認用チェックリストとして、ご活用ください。
オーダー時に必ず確認される11のポイント
野球グローブをオーダーするときには、ざっくりと分けて以下の11項目があります。
| 項目 | 特徴・ポイント |
|---|---|
| ①.メーカー・モデルの選択 | グローブとの相性(扱いやすさ)の80%はモデル選びで決まる! モデルごとに「クセ」があるので、安易に選ぶと取り返しがつきません。 |
| ②.ウェブの選択 | グローブとの相性(扱いやすさ)の10%はウェブ選びで決まる! グローブの型と開閉動作に影響を与える重要な要素のひとつ。 |
| ③.バックスタイルの選択 | ノーマル、王冠スタイル、ライナーバックなど、特に投手用をオーダーするなら選択肢が広い。 手のフィット感と閉じ方に影響を与えます。 ※モデルによって選べるバックスタイルが異なります。 |
| ④.ラベルの位置 | 通常のバンド部から、近年では親指寄りに付けるのが流行り。 デザイン性だけでなく、親指の可動性に影響を与えます。 ※モデルによってラベルの位置が指定できない場合があります。 |
| ⑤.指あて・指カバーの有無 | 人差し指の保護などの役割を果たすパーツ。 コユニ仕様に合わせて、中指の背面に取り付けられるモデルもある。 |
| ⑥.背面紐通しの有無 | 指の強度や連動性を高められるため、投手用や外野手用には定番のオプション。 近年は打球の強さから、投手や内野手でも使用されることが増えている。 |
| ⑦.内芯(形状・硬さ・土手紐の通し方)の選択 | グローブの内側にある芯材の形状・硬さ・固定方法(紐の通し方)を選べる。 グローブの閉じ方に影響があるため、意外に重要。 |
| ⑧.手口紐の巻き方(順巻き・逆巻き) | グローブいちばん手口側にある革を閉じるための紐。 巻く方向で正反対の特性がでるため、慎重に選ぶ必要がある。 |
| ⑨.ハミダシの選択(トコハミ・玉ハミ) | グローブの革と革を縫い合わせる際に挟まれている革。 ハミダシの硬さが異なるため、グローブの背面の丸みにも若干影響します。 |
| ⑩.カラーリング(配色) | オーダーグローブで最も楽しい工程です。 カラーリングで失敗しない方法も解説しています。 |
| ⑪.刺繍の文字 | 刺繍の文字や入れる箇所を選択できます。 高校野球の場合は、刺繍を入れられる箇所が決まっているので注意。 |
モデルとウェブだけで相性が90%決まってしまうのか...
だからといって、残りの9項目をテキトーに決めると痛い目にあいます。
そこで、皆さんがオーダーグローブで失敗しないためにも各項目の詳細について解説していきます!
「全部を見返す必要はないよ!」って方は、確認が必要な項目をクリックしてくださいね!
1.メーカー・モデルの選択
オーダーグローブを作成するうえで最も重要なのが、どのメーカーの、どのモデルにするか。
ぱっと見同じように見えるグローブでも、それぞれにクセとも言える特徴があります。(似て非なるもの)
サイズの違いはもちろん、ポケットの位置、型(閉じ方のクセ)、手口の広さなどが異なります。
これらの特徴は、グローブの相性(扱いやすさ)に直結し、守備力の向上または低下に影響を与えます。
「有名な選手のモデルだから」といった安易な気持ちで選択すると、後悔するかもしれません。
これからオーダーするグローブとの相性の8割が決まる大事な選択ですので、しっかりと検討を重ねましょう。
2.ウェブの選択
ウェブは、グローブの親指、人差し指、手のひらをつなぐ、革及び紐を用いたパーツを指します。

ウェブは大きく分けて、以下の7種類に分類することができます。
ウェブは捕球のしやすさや、グローブの開閉動作に影響を与える重要な要素のひとつです。
例えば、革の面積が広い1ピースやバスケットウェブは、硬さが残りやすく自在性は低いですが、耐久性に優れています。
逆に革の面積が狭いH型ウェブでは、自在性が高く扱いやすいですが、強い打球を受け続けると破れやすいです。
このように、デザイン性だけでなく実用面も重視する必要があります。
モデル選びと同様に、「プロが使っているから」という理由だけで選ぶと、扱いにくさを感じることもあるため注意が必要です。
▶︎ウェブの種類と特徴については、【野球グローブのとても重要なパーツ!|ウェブの種類と特徴を解説】で詳しく解説します。
3.バックスタイルの選択
バックスタイルは、その名の通りグローブの背面の形状を指します。

バックスタイルは大きく分けて、以下の7種類に分類することができます。
バックスタイルは、手のフィット感と閉じ方に影響を与えます。
手の甲まで覆われている⑤〜⑦に関しては、手のフィット感がとても高いうえに握り込みやすいことから、使用する投手が急増しています。
その反面、通気性が悪いため、夏場は蒸れやすいのがネック。
いずれのバックスタイルもメリットとデメリットが共存しているため、強いこだわりがない場合はスタンダードタイプにするのが無難です。
なお、バックスタイルによっては、ラベル位置に制限が出る可能性もあるためご注意ください。
4.ラベルの位置
「3.バックスタイル」にて、スタンダードや王冠スタイルを選択すると、ブランドロゴ(ラベル)の位置を親指側に寄せられる場合があります。


親指側に寄せることで、ラベルの位置が親指の屈曲する部分と重なります。
それによって、若干ですが親指を内側に曲げにくくなります。(※親指がまったく曲がらないというわけではありません)
操作性への影響は小さいものの、デザイン性としては印象を大きく左右します。
もし、ボックス型にしたいけど親指ラベルに憧れる場合は、必ずサンプルを試してから検討されるのをおすすめします。
5.指あて・指カバーの有無
指カバーおよび指あては、グローブ背面の主に人差し指部分に取り付けられるオプションパーツを指します。
人差し指を上から置くタイプを「指あて」と呼び、人差し指を中に通すタイプを「指カバー」と呼びます。


指あては主に野手向け、指カバーは主に投手向けのオプションとなっています。
指あてや指カバーをつけていないグローブと比較した効果は以下が挙げられます。
日本球界では、指あては不要とする野手が多い中、指カバーは全投手が採用していると言っても過言ではないほど普及しています。
しかしメジャーリーグでは、指あてをつけている野手がいたり、指カバーをつけていない投手も少なくありません。
偏見や先入観にとらわれず、自分のプレースタイルに合うかどうかを基準に考えましょう。
▶︎指あての特徴については、『【メジャーリーグでは定番!】グローブの指あての特徴と効果を解説』で詳しく解説します。
6.背面紐通しの有無
背面紐通しとは、グローブの指中間部分に追加で通されるレース(革紐)を指します。

背面紐通しは、外野手用グローブには定番のオプションですが、近年では投手用や内野手用グローブにも採用が増えています。
背面紐通しの効果は以下が挙げられます。
指が長いグローブの方が恩恵を受けやすいオプションですので、内野手用のグローブでは効果が分かりづらい可能性があります。
特に内野手用の浅い型(当て捕り系)では、指の独立性や柔軟性が必要になりますので相性はイマイチ。(それを証明するかのように、久保田スラッガーでは背面紐通しのオプションがありません。)
外野手や大きめの投手用であれば、積極的に採用したいオプションでしょう。
7.内芯(形状・硬さ・土手紐の通し方)の選択
内芯は親指・小指・土手に入っている羊毛(ウール)やフェルトからできた補強材を指します。
グローブをオーダーする際には、内芯の「形状・硬さ・土手紐の通し方」を決めることができます。
なお、内芯の形状と土手紐の通し方は、以下の組み合わせが選べます。
ヨコトジ系は、ヒンジ(小指の付け根)部分でパーツが分離しているため、土手を平らに保ちつつ開閉もしやすい万能型。
タテトジ系は、親指・土手・小指を1パーツで構成しているため、強度は高いですが、土手が丸みを帯びてグローブ全体が縦に長くなりやすいのが特徴。
強いこだわりがない場合は、ヨコトジ系を選ぶのが無難です。
▶︎指あての特徴については、『【全種類解説!】グローブの土手部の芯トジパターンを完全解説!』で詳しく解説します。
8.手口紐の巻き方(順巻き・逆巻き)
手口紐は、グローブのいちばん手口側で複数の革を閉じるための紐です。


手口紐の巻き方は、順巻きと逆巻きがあり好みが分かれるポイント。
グローブのモデルは本来、全体のバランスを考えて設計されています。
手口紐の巻き方を変えるとバランスが変わるため、慎重に選ぶ必要があります。
なお、手口紐は完成後に巻き直すことが可能ですので、悩んだらモデルの設定を変更せずにいきましょう。
9.ハミダシの選択(トコハミ・玉ハミ)
ハミダシは革と革をステッチで縫い合わせる時に使われているパーツを指します。
「トコハミ(切りハミ)」と「玉ハミ」の2種類があります。

それぞれの特徴は以下の通り。
明確な差がでるほどの違いはありませんので、基本的にはデザインで選んでOK。
強いて言うならば、硬式で使うなら耐久性が高いトコハミがおすすめ
所属する野球連盟によっては使用できるカラーが決まっているので、事前に確認しておきましょう。
10.カラーリング(配色)
オーダーグローブの醍醐味とも言えるのが配色です。
本体カラーだけでなく、紐・ヘリ革・ハミダシなど細かく指定できる反面、組み合わせによっては派手になりすぎることもあります。
当ブログで解説している「失敗しないグローブ配色のコツ」は以下のとおり。
これらのコツは、おしゃれの最先端であるファッション業界で古くから使われている色合わせの法則を、グローブに応用したものです。
グローブの配色で失敗したくない方は、『【保存版】オーダーグローブの失敗を防ぐ!カラーリングのコツと注意点を解説』の記事を必ず読んでからオーダーしましょう!
11.刺繍の文字
刺繍は、名前・番号・座右の銘などを入れられるオーダーならではの要素です。
好きな文字を刺繍して、オリジナリティを表現しましょう。
どんな言葉がいいか悩んだら、『野球グローブの刺繍におすすめの言葉(名言・四字熟語)まとめ』の記事を参考にしてくださいね!
すべてを完璧に決めなくても問題ない
ここまで11の項目を紹介しましたが、すべてに強いこだわりを持つ必要はありません。
大切なのは、「絶対に譲れないポイント」をいくつか決めることです。
そのためには、自分のプレースタイルを見直し、どんなグローブが欲しいのかを具体的にイメージすることが必要です。
迷った場合は、ショップスタッフに相談することで、自分に合った仕様を提案してもらえることも多くあります。
ネットでオーダーするから相談できないという方は、気軽に私のSNSにご連絡ください!
SNSアカウントはこれだよ!「X:@glovedo_yakyu インスタ:glovedo_baseball」
まとめ
オーダーグローブは、事前準備ができているかどうかで完成度が大きく変わります。
本記事では、オーダー時に確認しておきたいポイントを一覧で整理しました。
- 後から変更しづらい項目を優先的に考える
- 見た目と実用性のバランスを意識する
- 既製品との比較も一度行っておく
これらを意識するだけでも、オーダーの満足度は大きく変わります。
各項目については、今後個別記事でさらに詳しく解説していきますので、辞書的な位置づけとして本記事を活用してください。
自分だけの一品を後悔なく作るための第一歩として、ぜひ参考にしていただければと思います。
