野球グローブの土手にある芯とじ(土手ひも)にこだわりはありますか?芯とじは、野球グローブを形成するパーツの中でも地味なため、気にしていない選手も多いでしょう。
そんな地味な芯とじには複数の種類があり、それぞれに特徴があるんです!
そこで当記事では、芯とじのパターン(全8種類)の特徴と、最適な芯とじを見つけるポイントを詳しく解説します。この記事を見れば、きっと理想的な芯とじを見つけられます!
私はポジションによって、使用するグローブの芯とじを変えています。皆さんも自分のプレースタイルにあった芯とじパターンを見つけましょう。
野球グローブの芯とじはヨコトジとタテトジが有名ですが、他にも種類があります。ポジションやプレースタイルによって相性もあるので、最適な芯トジパターンを理解して、守備のパフォーマンスを上げましょう。
芯とじとは
芯とじとは、野球グローブの土手芯の固定方法を指します。

土手部分にはパッドが入っているのですが、パッドと表の革を土手ひもで固定することによって、土手部分の硬さをキープする役割を果たしています。
芯とじにおける紐の通し方は、定番からメーカー独自のものまで8種類あります。
紐の通し方によって個性がありますので、それぞれの特徴を理解しましょう!
芯とじパターン(定番4種類)
まずは、定番の芯とじパターンから紹介します。
定番は「ヨコトジ(シングル)」「ヨコトジ(ダブル)」「ヨコトジ(ダブル紐なし)」「タテトジ」の4種類です。(メーカーによって呼び方が異なります。)
既製品のグローブの9割は、この4種類のいずれかに該当すると言っても過言ではないでしょう。
それでは、順番に解説していきます。
ヨコトジ(シングル)
ヨコトジ(シングル)は、グローブの指の向きに対して垂直(横向き)にひもが通っています。

- 特徴
- 海外メーカーのグローブやトレーニンググローブでよく見られる形状
- 土手芯には紐が通っていない(固定されていない)
- 土手部分の奥行きが狭く、手のひらを広く扱うことができる。
- 手のひら捕球がしやすい。
- こんな選手におすすめ
- グローブの型を浅くしたい選手
- 当て捕りで打球を捌く内野手
ヨコトジ(ダブル)
ヨコトジ(ダブル)は、グローブの指の向きに対して垂直(横向き)にひもが2本通っています。

- 特徴
- 定番中の定番で、多くのグローブで採用されている
- 土手ひもの通し方で悩んでいるなら、ヨコトジ(ダブル)にすれば間違いない
- ヨコトジ(シングル)と比較して、土手部分に奥行きがあるため、ウェブ下にしっかりしたポケットを作りやすい
- グローブのモデルや、型付けによって、深くも浅くもできる
- 土手芯の紐を外せば、ヨコトジ(ダブル紐なし)にカスタマイズすることが可能
- こんな選手におすすめ
- ほとんどの選手
- クセのないグローブが好みな選手
- グローブにこだわりが無い選手
- 初心者の選手
ヨコトジ (ダブル紐なし) 【通称:土手ひも抜き】
ヨコトジ(ダブル紐なし)は、ヨコトジ(ダブル)から土手芯を固定する紐を外したパターンです。土手ひも抜きとも呼ばれています。

- 特徴
- 土手芯を固定していた紐が無くなるため、グローブ全体を柔らかくしやすい
- グローブが柔らかくなり過ぎると、球際の打球がグローブから出やすくなるリスクがある
- 親指の付け根まで通っていた紐が無くなるため、親指を開きやすくなり、ポケットを浅くできる。
- ヨコトジ(ダブル)用の穴は開いているため、自分で紐を通してカスタマイズすることも可能
- こんな選手におすすめ
- 握力の弱い選手
- グローブを浅く使いたい内野手(特にセカンド・ショート)
タテトジ
タテトジは、グローブの指の向きに対して並行(縦向き)にひもが通っています。

- 特徴
- ピッチャーや外野手で採用されることが多い。
- 親指心・小指芯と土手芯が一体型になっている場合が多く、浅い型にするには向いていない。
- 深く包み込むように捕球ができる
- 土手を柔らかくし過ぎると、間口が狭くなってしまうため注意
- こんな選手におすすめ
- グローブを縦型に使う投手
- グローブの中心で捕球した外野手
- よりしっかりとした捕球感を重視する外野手
土手ひもの通しパターン(メーカー限定4種類)
連結紐通し(SSK限定)
連結紐通しは、ヨコトジ(ダブル)から土手芯を固定する紐を連結したように通して固定したパターンです。

- 特徴
- SSKでのみ採用されている
- 親指の付け根に通る紐が無いため、親指が開きやすく、ポケットを浅くできる
- 土手芯には紐が通っているため、グローブが柔らかくなり過ぎるのを防ぐ
- 土手部分に通常より長く紐が使用されているため、土手に厚みと重量感が増す
- こんな選手におすすめ
- ヨコトジ (ダブル紐なし)にしたいが、柔らかくなるのを避けたい選手(サード・外野手)
- 個性的なグローブが欲しい選手
- グローブをボックス型にしたい選手
ワイドHMパッド(SSK限定)
ワイドHMパッドは、ヨコトジ(ダブル)から土手芯を固定する紐を「逆くの字」に通して固定したパターンです。
- 特徴
- SSKでのみ採用されている
- 土手部分に通常より長く紐が使用されているため、土手に厚みと重量感が増す
- 土手芯から親指の付け根まで、広い範囲に紐が通されているため、親指の動きがしっかりとグローブに伝わる
- こんな選手におすすめ
- 球際に強いグローブが欲しい選手
- 個性的なグローブが欲しい選手
辻トジ(久保田スラッガー限定)
辻トジは、ヨコトジ(ダブル)に複数のヒンジレースを追加したパターンです。
- 特徴
- 久保田スラッガーでのみ採用されている
- 久保田スラッガーのコアなファンに評価が高い
- 小指側が外に開きやすくなり、捕球面を広くしてグローブを浅く使用できる
- こんな選手におすすめ
- グローブの型を激浅にしたい選手(主にセカンド)
- 個性的なグローブが欲しい選手
デュアルフレックスポケット(アシックス限定)
デュアルフレックスポケットは、タテトジをベースに親指側にヒンジを付けたパターンです。
- 特徴
- アシックス でのみ採用されている
- 親指側にヒンジがあるため、親指を内側に曲げやすい
- デュアルフレックスポケットを採用している選手は多くない
- こんな選手におすすめ
- グローブを縦に握り潰して使いたい投手
- 人と違うグローブで目立ちたい選手
理想の芯とじを選ぶポイント

自分に最適な芯とじパターンを選ぶことは、守備のパフォーマンス向上にもつながります。
そこで、自分に合った芯とじパターンを選ぶポイントをまとめてみました。
- ポジションから選ぶ
- 内野手はヨコトジ系統がおすすめ(握りかえがしやすいよう開きやすいタイプが良い)
- 投手と外野手は、ヨコトジ・タテトジの両方検討するのがおすすめ
- プレースタイルから選ぶ
- グローブの握り変え重視は、「ヨコトジ(シングル)」「ヨコトジ (ダブル紐なし)」「辻トジ」
- 深いポケットで捕球重視は、「タテトジ」「ワイドHMパッド」
- バランス重視は、「ヨコトジ(ダブル)」「「連結紐通し」」
- インパクト重視は、「デュアルフレックスポケット」
- 理想とするプロ野球選手から選ぶ
- 元マリーンズの小坂選手は、ヨコトジ(シングル)
- ホークスの今宮選手、カープの菊池選手は、「ヨコトジ(ダブル)」
- ライオンズの源田選手、カープの矢野選手は、「ヨコトジ (ダブル紐なし)」
- 元マリーンズの西岡選手は、「連結紐通し」
まとめ
野球グローブの土手部分の芯とじの特徴が理解できましたでしょうか。
ここまで解説した内容をまとめると、
土手部分の芯とじは、パターンによって様々な特徴があります。
ポジションによっては、不向きな芯とじパターンがありますので、特徴をよく理解して判断することが大切です。
皆さんもぜひこの記事を保存して、土手ひも抜きに挑戦してみてくださいね。