野球グローブの土手芯の芯トジパターン(土手ひもの通し方)にこだわりはありますか?
土手芯の芯トジって、野球グローブを形成するパーツの中でも地味なため、気にしていない選手も多いでしょう。
そこで当記事では、土手芯の芯トジパターン(全6種類)の特徴と、最適な芯とじを見つけるポイントを詳しく解説します。
土手芯は地味なパーツですが、芯トジの方法によってそれぞれに特徴や相性があるんです!
皆さんも自分のプレースタイルにあった芯トジパターンを見つけましょう。
野球グローブの土手芯の芯トジ方法はヨコトジとタテトジが有名ですが、他にも種類があります。ポジションやプレースタイルによって相性もあるので、最適な芯トジパターンを理解して、守備のパフォーマンスを上げましょう。
土手芯の芯トジとは
芯トジの役割
芯トジとは、グローブの土手部分に入っているパッド(土手芯)の固定方法(革紐の通し方)を指します。
土手部分の内側には、親指から繋がっているパッド(芯材)が入っており、この芯材の土手部分のみを土手芯と呼びます。(親指部分は親指芯)
その土手芯と捕球面の革を革紐(土手ひも)で固定するのが芯トジの役割になります。


芯トジパターンは全部で6種類!
芯トジのパターンは、定番からメーカー独自のものまで含めると、全部で6種類あります。
紐の通し方によって異なる特徴がありますので、それぞれ理解していきましょう!
定番のヨコトジ・タテトジ(全4種類)を紹介
まずは、芯トジとして最も定番な「ヨコトジ」と「タテトジ」から紹介します。
既製品のグローブの9割は、この4種類のいずれかに該当すると言っても過言ではないでしょう。
なお、「ヨコトジ」「タテトジ」は一般的な名称で、メーカーによって名称が異なりますので注意。
それでは、順番に解説していきます。
ヨコトジ(シングル)
ヨコトジ(シングル)は、土手芯の上部を固定する芯止めひものみで、土手芯を直接固定する土手ひもが通っていないタイプになります。

ヨコトジ(シングル)は、メジャーリーグでは最も定番な芯トジパターンと言えます。
そのため、ローリングスやウィルソンなどの海外メーカーが作るグローブは、ヨコトジ(シングル)となっている場合が多いです。
ヨコトジ(シングル)の特徴は、土手部分の柔らかさです。
ヨコトジ(シングル)は土手ひもが通っていないため、土手芯が屈曲しやすく、グローブ全体の柔らかさに繋がります。
そのため、握力に自信がない学生や女性には特におすすめ!
また、比較的土手部分の奥行きが狭いモデルが多く、深いポケットを作りやすいのも特徴の1つ。深いポケットは、近年流行しているコユニとも相性が良いのですよ。
ただし、土手に硬さが残りにくいので、土手を広く仕上げた型とは相性が悪いかもしれません。
ヨコトジ(ダブル)
ヨコトジ(ダブル)は、土手芯の上部を固定する芯止めひもと、土手芯を直接固定する土手ひもの2本が通っているタイプになります。

ヨコトジ(ダブル)は、日本野球界で最も採用率の高い芯トジパターンと言えます。
そのため、ミズノやZETTなどの国内メーカーが作るグローブは、ほとんどヨコトジ(ダブル)となっています。
ヨコトジ(ダブル)の特徴は、土手部分の硬さを調整できること!
土手芯と捕球面の革を直接革ひもで固定することで、グローブを握った時にも土手芯が平らな状態をキープできます。
また、そのうえで土手ひもの締め付け具合を変えることで、土手部分の硬さを好みに調整できます!
「新品で土手が硬い」と感じれば土手ひもを緩めて、「土手がへたってきた」と感じれば土手ひもを締めこんであげましょう。
ただし、注意点としては、土手ひもが親指の付け根まで通っていることで、親指を動かす際に抵抗が発生します。
親指を固定して小指側の指を効かせて掴む型との相性は良いのですが、親指を効かせたい場合は、しっかりと揉みこんで柔らかくする必要があります。
ヨコトジ (ダブル紐なし) 【通称:土手ひも抜き】
ヨコトジ(ダブル紐なし)は、ヨコトジ(ダブル)から土手芯を固定する紐を外したタイプになります。
通称「土手ひも抜き」とも呼ばれています。

ヨコトジ(ダブル紐なし)は、内野手用グローブでの採用が目立つ芯トジパターンです。
ヨコトジ(ダブル紐なし)も土手の柔らかさが特徴です。
理由はヨコトジ(シングル)と同じく、土手芯に革ひもが通っていないからです。
ただし、ヨコトジ(シングル)と比較すると、土手芯の奥行きが広いため、ポケットは若干浅くなりやすい傾向にあります。
また、土手に硬さが残りにくいというデメリットも共通ですが、ヨコトジ(ダブル紐なし)の場合は、革ひもを土手に通してヨコトジ(ダブル)にカスタマイズすることで対策が可能です!
タテトジ
タテトジは、グローブの指の向きに対して並行(縦向き)に紐を通したタイプです。

タテトジは、投手用や外野手用での採用が目立つ芯トジパターンです。
タテトジの特徴は、土手の丸みと潰れにくさ!
土手部分の革紐が縦に通っているため、横からの力には弱く土手芯が屈曲しやすいことで、土手が丸みを帯びます。
また、タテトジは親指・小指・土手の芯が一体化しているため、他の芯トジパターンと比べてどてが潰れにくいです。
これらによって、縦に長く、グローブの中心で深く包み込むような型に仕上げやすいのがポイント。
ただし、上記の特徴から土手部分が狭くなりやすいことから、浅い型にするには向いていないので注意しましょう。
メーカー限定の芯トジパターン(全2種類)を紹介
続いては、各メーカーが開発した特殊な芯トジを紹介します。
これらの芯トジパターンは有名ではありませんが、「こういうのが欲しかった!」という特徴を持ったものばかりです。
既製品のグローブではあまり採用されていませんが、グローブをオーダーする機会があれば検討してほしい芯トジパターンです!
それでは、順番に解説していきます。
連結紐通し(SSK限定)
連結紐通しは、SSK限定の芯トジパターンでヨコトジ(ダブル)をベースに土手紐を連結するように通して固定したタイプです。

連結紐通しの特徴は、土手に硬さを残しつつ親指を効かせやすいことです!
なぜなら、連結紐通しはヨコトジ(ダブル)とは異なり、土手ひもが親指まで通っていないからです。
いわば、ヨコトジ(ダブル)とヨコトジ(ダブル紐なし)のハイブリット。
土手を平らに保ちつつ親指を開閉しやすいので、土手を潰さないボックス型と相性バツグンです!
「ヨコトジ(ダブル)だと親指が動かしづらい!」や、「ヨコトジ(ダブル紐なし)だと土手が柔らかすぎる!」と感じている人には、特におすすめです。
ただし、既製品で採用されていることは少なく、採用したい場合はグローブをオーダーするしか手段がないのがデメリットです。
ワイドHMパッド(SSK限定)
ワイドHMパッドは、SSK限定の芯トジパターンでヨコトジ(ダブル)から土手芯を固定する紐を「逆くの字」に通して固定したタイプです。
ワイドHMパッドの特徴は、圧倒的な土手の硬さと親指の連動性です。
ワイドHMパッドは、これまでの芯トジパターンよりも多くの紐でしっかりと固定されているため、最も土手が硬いグローブに仕上がります。
長期的な使用でも土手が潰れる心配は、ほぼ無いに等しいです。
また、土手ひもはタテとヨコの中間である「逆くの字」で配置されていることから、土手芯の硬さを残しながらも、やや屈曲しやすくなっています。
それによって、親指の動きをスムーズに伝えることが可能になっています。
ただし、タテトジの要素が入っていることから、土手がやや丸みを帯びやすいことに注意!
また、既製品で採用されていることは少なく、採用したい場合はグローブをオーダーするしか手段がないのがデメリットです。
自分に合った「芯トジ」を選ぶポイント

自分に最適な芯とじパターンを選ぶことは、守備のパフォーマンス向上にもつながります。
そこで、自分に合った芯とじパターンを選ぶポイントをまとめてみました。
上記はあくまで参考ですので、可能であれば店頭のグローブやサンプル品を触らせてもらって違いを感じてみましょう!
まとめ
野球グローブの土手部分の芯とじの特徴が理解できましたでしょうか。
ここまで解説した内容をまとめると、
土手部分の芯とじは、パターンによって様々な特徴があります。
ポジションによっては、不向きな芯とじパターンがありますので、特徴をよく理解して判断することが大切です。
皆さんもぜひこの記事を保存して、土手ひも抜きに挑戦してみてくださいね。